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朝ごはん ページ31

月島「Habe nun, ach! Philosophie,
Juristerei und Medizin…」

予想外に流暢な感じのドイツ語が彼の口から流れてくる。
感心して聞いていればパタリと本は閉じられた。

月島「ま、理解してなければ発音できても使えませんけどね。」

冷静にそう言い切った彼はため息をつく。
理解できていても発音ができなくて苦労する人もいるのにバッサリと切り捨てるように言ったなぁ…

過小評価は特にするわけでもないし、特技をひけらかすわけでもない彼は外側に惑わされず真実を見極める人なのだろうか。
うちとの練習試合でもクレバーなブロックを見せてくれたりしたしね。


『なんだか大人だね、月島くんは。4月に入学したばっかりとは思えないなぁ。
私なんて小学校の時から何も変わってない気がするし。』

ゲーテのファウストを手にゆっくりと立ち上がる。

冷えた足を暖めるにはちょうどいいくらいに、そよそよと吹く風はだんだんと熱を増していく。

月島「別に…
子供でいたくないだけなんですよ、多分」
 

ーーーーーー

とおるおはよー!

とおる元気してる?俺はこれからパーティーの作法の授業。

Aおはよう、私はこれから朝ごはん

A元気だよ。いろんな選手と触れ合えて楽しいけど少しさみしいなぁ…


数分前に来ていたメッセージにそう返した。

仙台の家は静かで、人気はないものの徹との物理的距離は近い。
ここでは寂しさも忘れられるくらいめまぐるしいけれど、ふとした瞬間にやってくる寂しさは大きく、夜なんかは周りにたくさん人がいると言うのに孤独を感じる。


木兎「おはよう、篠原!!」

赤葦「おはよう、A。」

起きてすぐにテンションがうなぎのぼりらしい光太郎くんは眠そうな京治くんを引き連れて食堂にやってきた。
お盆には山盛りのご飯と和風のおかずがのっている。京治君は菜の花の辛子和えを見つけて無表情の奥に嬉しさが見え隠れしている。

私の隣に着席した彼らは声高らかにいただきますといい、食べ始めた。


…翌朝からこんなに食べれるなぁ…

起きてからそこそこ時間が経っているにも関わらず若干ぼーっとして空腹感が鈍く感じる私はそれに習い手を合わせて塩ジャケを口にした。
 

 

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2019年4月16日 0時

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