【HQ】及川さんは一途らしい３ (ページ28)

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食べ物ページ28

試合のスコア書きはやっちゃん潔子ちゃんに任せ、私はスイカを切りに食堂の方に足を向けた。
そこにはすでに切られたいくつかのスイカが並べられており、雪絵ちゃんはつまみ食いをしている。

『雪絵ちゃん、甘い？』

真っ赤なそれを頬張る彼女は大きく一度頷き、目を幸せそうに細めた。
よほど美味しいらしいそれは皮のギリギリまで食べられている。

白福「とっても。Aちゃんも美味しそうなところ一つあげる。」

微笑む彼女は私に、確かに宝石のように瑞々しく赤いそれを手渡す。

しゃくり、小気味いい音を立てたのち口に甘い蜜が広がる。
硬くもなく、柔らかくもないそれは確かにとても美味しくて気がつけば皮だけになっている。

…確かこの近くのスイカ農家の方だったかな…帰りに皐月さんによってもらえると嬉しい。

『本当に美味しいね、このスイカ』

切られたスイカが乗るお盆を持ち上げ雪絵ちゃんに微笑めば、その倍くらいを返してくれた。

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晩御飯の準備を始める。
今日は豚キムチがメインでその他色々と小さなおかず。

蒸気を吐き出すたくさんの炊飯器を背に私たち３人は自主練時間中にせっせと炒める。

『潔子ちゃん、キムチ入れてくれる？』

炒まった豚肉の頃合いを見て彼女が開けて用意してくれていたキムチを投入し、かさましに更に白菜と硬めのお豆腐を追加する。

途中で奇声が聞こえてきたような気もするがスルーしておこう。
やっちゃんがびっくりして目を丸くしていたのは少し可愛かったけど。

　
出来上がったそれらはキッチンのカウンター前のテーブルに置かれ、お腹をすかせた高校生のお皿に配られていく。
昨日は少しむっすりと、ご飯少なめで、と言っていた月島くんは今日はどこかすっきりとした顔でありがとうと言ってくれた。
　
　