【あんスタ】演劇科のアイドル

16話 ゆうくん ページ17

「なっなんで…その呼び方……」

「確か……瀬名先輩がそう呼んでて」

「えっ！なにもされてないよね！？」

「あっはい」



そう返事すれば遊木先輩はホッとしたような顔をする。

彼の先程の動揺と青ざめた表情からやはり瀬名先輩にはいい印象がないのだろう。


初対面の際に誑かしたなど散々の言われようだったので特に気にはしないが………




「そういえば橘君は何の用でここに？」

「僕の幼馴染がイベントに参加するのでそれを見に来ました。遊木先輩は？」

「僕は明ぼ…友達に誘われて。」



なんでも友達の部活の先輩と後輩がイベントに出演するらしくそれに誘われてついてきたらしい。



「その友達が迷子になっちゃって………」

「はぁ……大変ですね。」

「でもさっき先に昼御飯食べてていいって連絡きたから屋台をまわってたんだ。」

「それじゃあ一緒にお昼食べませんか？」

「えっ！？いいの！？」

「はい。一人で食べるのもアレですし………」





そう言うと遊木先輩は目を輝かせて僕なんかが橘君とお昼！と、独り言を呟いている。


最近はおかしい先輩ばかりと遭遇していたので彼の行動が途端に可愛く思えてくる。



「まぁ嫌だったらムリにとは……」

「ぜひ一緒に食べよう！」


即答する彼の必死そうな顔に思わず素の笑いが零れた。




………………………………


風呂場にメスのクワガタがいました。さすがド田舎…………

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