short story．-17歳、夏。- ページ41
高校3年生。
受験も迫り、勉強に打ち込み、運動部は最後の大会だと部活に励み────またとある者たちは恋にと、それぞれ最後の青春を過ごすものである。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(香坂)
「ねぇ、Aはやっぱりご両親と同じ道？」
「かなぁ。
ま、安定した生活出来ればどこでもいいけどね」
紙パックのバナナオレがズコーッと音を立てた。
あれ、もうなくなっちゃった？
「いーよねぇ、成績優秀者は。
そのまま医学部行くんでしょ？」
「…お父さんはそう言ってる。
お母さんは好きにやればいいって」
んーっと伸びをしてから、セミロングの髪を弄ってくる友人にキャンディをひとつあげる。
「
美大、行くんでしょ？」
彼女の名前は佐伯美七海。
1年のときに出席番号が近くて意気投合し、そのまま進級しても同じクラスだった、互いの良き相談相手。
「うん！
……また先輩と絵、描きたいから」
そう言って照れくさそうに笑う彼女は、女の私が言うのもあれだけど、可愛いなぁと思う。
艶やかな黒髪は、肩につくくらいのショートボブ。
少しつり上がった目はくりくりとして、睫毛の影が落ちている。
ほんのりと染まる目元と小さな薄い唇────日本人形のような愛らしい顔立ちだが、背は私より高い。(去年急に伸びよって、許すまじ。)
美術部部長の彼女は、同年代よりも年下から人気があったそうだ。
あまり詳しくは知らないが、友人によれば1年たちの告白をことごとくやんわりと断ったらしい。
そして、いまでも去年卒業した美術部前部長を思い続け、彼と同じ美術大学に進学するのだと。
────いいよなぁ、追いかけてるときの顔ってほんと、みんなきらきらしてて、綺麗で、可愛くて。
女子、なんだよなぁ…。
「────あ、もうすぐ5時だよ、図書室しまっちゃう」
「うえぇっ、まだ本借りてない！」
5時まであと20分くらいだろうか、夏休みに入る前の最後の図書室解放日、この機会を逃したらこの前も借りることができなかった医療器具の本を逃すことになってしまう。
「ごめん、先に昇降口行ってて」
「ひとりで持てる？」
「平気平気！」
荷物をまとめてリュックを背負い、慌ただしく教室を出た。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁
続きます(つω`*)
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あやみん - 名取先生が、自分に、恋したなんて、最高です!!!!! (2019年8月19日 12時) (
レス) id: ac50c68a33 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 16話、朝日は登りつつではなく朝日は昇りつつ、ではないでしょうか？ (2019年2月10日 15時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 14話、以外にも耕作だった。ではなく、意外にも耕作だった。ではないですか？ (2019年2月2日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 13話冒頭、横峯さんではなく横峯ではないですか？意図されてでしたらすいません (2019年1月18日 22時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
rabbit - 32の下から9行目「手術中にに」となっています。間違っていたらごめんなさい。 (2018年10月6日 23時) (レス) id: fec1ec90ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月1日 0時
