-18cm- ページ27
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(藍沢)
『お前も手空いとんやったらコンサル来てくれ!』
「どうした」
『
「朝から豪勢だな」
ケイからの連絡を受けて初療室に走り出す。
大動脈瘤か…心外のエースの腕が鳴るな。
「レベル低下、何分前?」
「3分前、200まで落ちました」
「開腹手術は体力的にも厳しいな…ステンドグラフト内挿術、準備お願いします」
「はい!」
処置室に入ると、ケイは冴島と数人の看護師に囲まれて、既にオペの準備に入っていた。
「────メス」
「はい」
そこに、白石から声がかかる。
「藍沢先生、こっちお願い!
私京先生の方入るから」
「わかった」
視線をずらすと、顔をあげたケイと視線がかち合う。
黙って頷き合う────言葉がなくてもわかる。
救おう、この2人。
どちらも各科のエースが診るのだ、死なせるはずがない。
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(京)
ステントグラフト内挿術────そもそもステンドグラフトっちゅうんは、人工血管にステント言われるバネ状の金属を取り付けた、新型の人工血管や。
患者の足の付け根を4センチほど切開したあと、これを圧縮して、細いカテーテルの中に収納したまま動脈内を進めて。
画面に映る動脈内のカテーテルを見つめながら、わずかな感覚を頼りに指先を慎重に、なるべく早く腫瘤までたどり着かせる────。
「大丈夫?京先生」
「もうちょい………、見つけた。
放出します」
血管内壁に放出されたステンドグラフトに、一同が肩の力を抜く。
それは,金属バネの力と患者の自身の血圧によって広がって、血管内壁に張り付けられるから、外科手術みたいに縫いつけんでも、自然に固定されるっちゅう優れもん。
腫瘤は残るんやけど、ステントグラフトが蓋の役目をして、瘤内の血流が無くなって、次第に小さくなる。
拡大することを防げれば、破裂することはない。
「心拍数、血圧ともに正常値です。
意識レベルも戻りました…!」
「お疲れさま、京先生」
「白石先生らも、おおきに」
残り、18cm。
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彩架(プロフ) - 3話の「始め」ではなく「初め」ではないですか? (2018年10月13日 23時) (レス) id: d02e226a01 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 話に話を咲かせる、ではなく、話に花を咲かせる、ではありませんか? -14cm-です (2018年9月28日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - すいません、先程の書き込み、訂正させてください。「ステンド」ではなく、「ステント」ではありませんか? (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - -18cm-の京先生の考えてること、何個目かはわかりませんが…、「それは」の後の「、」が「,」になってます (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - -18cm-の京先生が一番最初に考えてること、ステントグラフトになっています。ステンド、ではないです? (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayanel | 作成日時:2017年7月27日 12時