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(藍沢)
CB400 Super Fourに腰かけて夜空を見上げる薄茶の髪が、夜風になびいている。
その剥き出しだった薄い肩に、持ってきたレザージャケットをかけても、彼女は無反応だった。
天野さんとAは、最初から面識があった訳では無い。
新海のヘルプに呼ばれた彼女と偶然、検査が終わったあとに会い、そこで意気投合したらしい。
そのあと天野さんから「A先生って新海先生の彼女なの？」と聞かれた時に、パソコンの画面上に打ち間違いが量産されたのは、まだ記憶に新しい。
「………別に気にしてないよ、彼女のことなら。
だって、藍沢先生と新海先生がついてるから。
大丈夫だって、信じてるから」
それに、と前を向いたまま言葉を続ける。
「用があるのは私自身、でしょう？」
抜けているようで、相手の行動を細部まで見ている。
かと思えば、自分のことにはとても鈍感で。
────それは、恋愛においても。
「……単刀直入に聞く。
お前、心臓に持病でもあったのか」
反応はない。
ただゆっくりと振り返ったAは、絹糸のような髪を風に遊ばせながら、ただじっと俺を見つめていた。
やがて形のいい唇に笑みを浮かべて。
「……隠しても耕作は調べるから答える。
持病じゃないけど、あるにはあるよ。
でも病名は言えない」
「A」
「やだよ。
大丈夫、そんなに大した病気じゃないよ。
自分でわかってるから」
「…拒むなら無理には聞かない。
だが、治療に専念しろ。
お前は救命に必要な存在であることは、今も昔も変わらない」
「────嫌だって言ったら…？」
そのときは、力ずくでも。
その言葉を飲み込んで口を開いたとき、自分でも思っていない言葉が出た。
「────お前がレジデントを蹴り、病気を抱えている状態でも救命に残ろうとするのは…ご両親が関係しているのか」
「な……」
なんで、知っているのと。
口はそう動いたが、声にはならなかった。
俺はなおも言葉を続ける。
「お前はもう覚えていないかもしれないが…高校で一度、お前と話したことがある。
3年の初夏、放課後の図書室で」
「え………、あ…」
思い出したように、その大きな目をさらに丸くして、Aは俺を見つめた。
クラスは別々だったが、彼女は他クラスにも大勢友だちがいたため、よく耳にすることが多かったのだ。
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彩架(プロフ) - 3話の｢始め｣ではなく｢初め｣ではないですか？ (2018年10月13日 23時) (
レス) id: d02e226a01 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 話に話を咲かせる、ではなく、話に花を咲かせる、ではありませんか？ -14cm-です (2018年9月28日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - すいません、先程の書き込み、訂正させてください。「ステンド」ではなく、「ステント」ではありませんか？ (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - -18cm-の京先生の考えてること、何個目かはわかりませんが…、「それは」の後の「、」が「，」になってます (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - -18cm-の京先生が一番最初に考えてること、ステントグラフトになっています。ステンド、ではないです？ (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年7月27日 12時
