検索窓
今日:149 hit、昨日:457 hit、合計:3,486,296 hit

8 ページ11

ひいひい言ってたら、優輔くんが心配そうにこちらを振り返った。



「香坂先生、大丈夫?」

「どうしよ…頭蓋骨折れちゃったかも」

「えっ」



にや、と唇をゆがませる。



これは、オトナの悪い笑みだ。



「なんてねー?」

「もう…!

……大丈夫だよ、お父さん、ぼく十分楽しいよ!」



だって、香坂先生も来てくれるから!と言われて、思わず抱きしめそうになってしまった。



この笑顔を、少しでも長く生かすために。



ぎゅっと拳を握り締める。



────……ぜんぶ終わったら、みんなに話せるのかな。



特にあいつは、帰ってきてからやたらと心配をかけているし、とても気にかけてくれている。



ひとつだけ、言えることがある。






私は────ほんとうは医者になんて、なれる資格はない。






「……あ、緋山先生」



私はこちらに歩いてくる美帆ちゃんの姿を認めた。



「おぅ、緋山!どうした?」

「すみません、患者の件で少しお話が…」



私もそろそろ戻って服を変えないとなぁ。



「じゃあまた遊びに来るね、優輔くん」



ばいばい、と手を振り合ってから、二人のあとを追いかけた。



手早く服を着替えて初療室に戻ると、どうやらひと騒動あった後のようだった。



恵ちゃんに話を聞くところによると、耕作が横峯さんに胸腔ドレーンを実施させようとした際、患者のことを練習台と言ったそうだ。



────そりゃ泣くわ。



相変わらずスパルタ指導というか、ぶっきらぼうというか…。



「Aが教えてあげてよ、そうしたら少しはこの空気も変わるんじゃない?」

「あー申し訳ないけどそれはだめ。

私みたいに感覚でやる人は擬音語しか出てこないから教えるなって、黒田先生に言われたことあるの」



ごめんね、と苦笑を浮かべたとき、ホットラインがけたたましくドクターヘリの要請を知らせた。

9→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (741 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3276人がお気に入り
設定タグ:コード・ブルー , コードブルー , 藍沢耕作   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

彩架(プロフ) - 3話の「始め」ではなく「初め」ではないですか? (2018年10月13日 23時) (レス) id: d02e226a01 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 話に話を咲かせる、ではなく、話に花を咲かせる、ではありませんか? -14cm-です (2018年9月28日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - すいません、先程の書き込み、訂正させてください。「ステンド」ではなく、「ステント」ではありませんか? (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - -18cm-の京先生の考えてること、何個目かはわかりませんが…、「それは」の後の「、」が「,」になってます (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - -18cm-の京先生が一番最初に考えてること、ステントグラフトになっています。ステンド、ではないです? (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ayanel | 作成日時:2017年7月27日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。