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(白石)
ICUの両角さんのベッドのそばで、藍沢先生とAが揃ってタブレットを覗き込んでいた。
ひょいとAの傍らからその画面を見れば、それは頭蓋骨のCT。
「CTのボーンイメージなんて、ふたりとも気になるの？」
「…いや。
お前はどうだ」
そう言ってAに話を振った藍沢先生に、彼女が答えようとしたとき。
「両角」
ICUに、聞きなれない男性の声が木霊する。
振り返るとそこに居たのは、両角さんのチームメイトの────豊田充宏さん、という方らしい。
彼は器用に車椅子をベッドのそばにつけると、両角さんが声をかける。
「試合、どうだった」
「平野が3ゴールあげた、勝ったよ」
「そうか。
あー…よかった」
「…なんだよ。
お前、結局無得点だぞ、この試合」
急に剣呑になった雰囲気に、Aがぴくりと身体を震わせたのが分かった。
記憶を失ってから、人の雰囲気や目線、言葉に、敏感になってしまっているのだろう。
「チームが勝てればそれでいいんだよ」
「…昔のお前からじゃ考えられないな」
「そうか…？」
ただのチームメイトどうしの会話なのに、どこか固く感じてしまうのは、気のせいだろうか。
「……まぁいい、12月までには治せ。
エース不在じゃ、日本選手権は戦えない」
「おぉ、任せとけ。
それにここには、優秀な先生が多いみたいだしな」
両角さんが視線を向けたのは、藍沢先生と、私の後ろで様子を見守っていたA。
体格もいいうえに、雰囲気からして少々強面のふたりから一斉に視線を注がれて、小さな彼女はびくびくと頭を下げた。
「はは、お前の顔が怖いってよ」
「も、両角さん！」
違うんです、と困った表情のAのもとへ、豊田さんのほうから車椅子を押してやってくる。
はたと動きを止めた彼女にほんのわずかに苦笑してから、彼は私達に頭を下げた。
「…よろしくお願いします」
そう言って去っていく背中を見送って、私は両角さんのベッドに歩み寄った。
「凄いですね。
7年連続日本一なんですよね、両角さんのチーム。
そこのエースって」
「いやいや。
ああ言ってくれてますけど、もうエースって呼ばれるのもなんだか…。
歳ですよ、実際」
「…でも、エースってカッコイイ響きじゃないですか？」
遠慮がちに会話に入ってきたAの言葉に、彼はそうっすねと頷いた。
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リラン(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！読むたびに次をもとめてしまう！今後も期待してます！話は変わりますが、少年陰陽師読んだことありますか？何となく文が似ている所があってずっと気になっていたんです。急に質問すみません。もし知らないのであれば申し訳ないのですが… (2019年2月12日 12時) (
レス) id: c050d878db (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 18、大大抵ではなく、大抵では？ (2018年7月4日 20時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
鈴子 - コードブルー好きにはたまらないね\^-^/ (2017年10月14日 21時) (レス) id: bbbfeb8862 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！更新される度に続きが気になって気になって！最終回、楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2017年9月19日 23時) (レス) id: e98d2ab7a8 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢せんせすき - 面白すぎます笑楽しみにしてるので更新頑張ってください^ ^ (2017年9月19日 22時) (レス) id: 0944e50e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年9月12日 0時
