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「…入った」

「おっけ、骨髄針挿れよう」

「脊髄気をつけて、首が長時間固定されてるから…相当な負担、かかってる…」

「了解。

…香坂先生、大丈夫?」



緋山先生が簡易な止血を施してくれたガーゼは見る間に赤く染まり、ぐったりとした様子で壁に背を預けている。



よくよく見れば、さっきは気づかなかったが、黒いシャツは頭からの血で赤黒く変色していた。



「大丈夫…ちょっと安心したら、疲れて。

ごめん…」

「はいはい無理しない、そこで待ってな」



立ち上がろうとする彼女を緋山先生がぴしゃりと制す。



と、シーバーに連絡が入ったようだった。


「出血?……どのあたりから?……腰?

あんたが診てるの浴衣の方だよね?」



出血、腰。



そのキーワードに、Aがぴくりと反応する。



「開放骨折で出血なんて…」

「…緋山先生、行って。

その人、たぶん妊婦」



そこまで読み解くなんて、たまにこの子、千里眼でも持ってるんじゃない?と思ったことがある。



「…白石」

「大丈夫、行って」

「私もいるし大丈夫だよ」

「ばか、あんたが一番心配だわ」



えーひどいなぁと苦笑するAと位置を変わって、緋山先生は現場に戻っていった。



頭をできるだけ動かさないようにしつつ、処置を進める。



「まだ動かせませんか?」

「駄目です、壁を壊さないと…」



ここでできる処置にも限界がある。



早くしないと手遅れになる────。



そのとき、男の子が持っていた紙のようなものが、手から落ちた。



「レベル低下…?白石先生まずいよ。

救出急いでください!お願いしま…っぐ…!」

「香坂先生!?」



Aが頭を押さえてふらついた。



「大声出さないで、血管切れるよ…!」

「ごめんごめん、つい」



それはほんの一瞬のことで。



その間にも、駐車場の軽傷者の中に意識レベルが下がった人が出たと灰谷くんから連絡があったけど、藤川先生も重傷者につきっきりで手が離せないようだ。



Aを行かせたいところだけど、まともに処置をこなせる状態でないのは明らかだった。



「あとどれくらいかかりそうですか?」

「30分です!」

「白石先生…」



それを聞いたAの瞳が不安げに揺れる。



彼女もわかっている。



このままじゃ───────この子は助からない。

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作品ジャンル:恋愛
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恵李 - こんにちは。恵李です。1年前からほとんど毎日見てます!続編よろしくお願いします!あの〜質問questionなんですけど、何歳ですか?私は華のJK16歳ですけど教えてください!! (2022年10月19日 22時) (レス) @page10 id: 18a46fedc8 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ayanelさん» こんにちは… (2021年9月10日 11時) (レス) id: 9a04ef101c (このIDを非表示/違反報告)
レー - 質問というか聞いていいですか? (2021年3月8日 22時) (レス) id: 88b0f39677 (このIDを非表示/違反報告)
フラ - 作品を参考にしてよろしいですか?? (2020年9月11日 22時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - とても作品内容は面白く読ませて頂きました。一言申し上げるとセリフの前に名前を書いていただけると誰のセリフだか分かりやすくてもっと良い作品になると思います。素敵な小説ありがとうございました。 (2019年12月31日 0時) (レス) id: 8f8d498a5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayanel | 作成日時:2017年7月25日 21時

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