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あまりの衝撃に呼吸が詰まったのと同時に、地面に叩きつけられた。
ざくり、とおでこの少し上で嫌な音とともに痛みが走る。
これ切れたな。
深呼吸をひとつ。
背中が痛むがおそらく打ち身、前頭部は切り傷だし、内臓は特に痛みもないから傷ついてはいない。
大丈夫、動ける。
「ったた…」
歩くたびに背骨を中心に熱いじんわりとした痛みが走る。
心臓が脈打つたびに、前頭部の傷口が開くような、嫌な感覚だった。
「大丈夫ですか!?」
「あ、見た目ほど酷くないので大丈夫です…。
誰か救急車お願いします。
歩ける方は落ち着いて、スーパーの駐車場にゆっくり避難してください!……っう」
大声は頭に響く。
「負傷者はスーパーの駐車場に行ってもらえるよう、呼びかけて歩いて頂けますか。
ほかの方にも伝えてください」
「わ、分かりました」
がんがんと頭痛と倦怠感を訴える身体に鞭打って、私は山車が突っ込んだ民家の周辺へと足を向けた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(白石)
「白石!どうしたんだよ急に黙り込んで」
藤川先生の声に、はっと我に返る。
いま、ホットラインは何を告げた?
『────七夕祭りで山車が横転、民家に突っ込みました。
負傷者は多数です、混乱していて正確な人数は不明です…』
「だって、今あそこには…、Aが、Aがいるのよ!?」
「落ち着け。
負傷者があいつだとは限らないし、もし万が一負傷してたとしても、あいつなら応急手当は可能だろ」
────うん、そうだよね、Aなら今ごろ現場で負傷者の応急手当をしてるよね…。
「すみません、出動します」
『了解しました』
無茶しないで…すぐに行くから、待ってて。
逸る気持ちを抑えながら、私は緋山先生と冴島さんとヘリに乗り込んだ。
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恵李 - こんにちは。恵李です。1年前からほとんど毎日見てます!続編よろしくお願いします!あの〜質問questionなんですけど、何歳ですか?私は華のJK16歳ですけど教えてください!! (2022年10月19日 22時) (レス) @page10 id: 18a46fedc8 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ayanelさん» こんにちは… (2021年9月10日 11時) (レス) id: 9a04ef101c (このIDを非表示/違反報告)
レー - 質問というか聞いていいですか? (2021年3月8日 22時) (レス) id: 88b0f39677 (このIDを非表示/違反報告)
フラ - 作品を参考にしてよろしいですか?? (2020年9月11日 22時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - とても作品内容は面白く読ませて頂きました。一言申し上げるとセリフの前に名前を書いていただけると誰のセリフだか分かりやすくてもっと良い作品になると思います。素敵な小説ありがとうございました。 (2019年12月31日 0時) (レス) id: 8f8d498a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayanel | 作成日時:2017年7月25日 21時