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先輩をひと睨みした後にペコリと頭を下げたグルッぺンに倣って慌てて私も頭を下げる。
｢Aちゃん、幼馴染って…、｣
『また説明します！お先に失礼します！』
なんだか酷く狼狽えている先輩を背に、つかつかと私の手を握ったまま歩き出したグルッぺンに置いていかれないように足早について行った。その間、声を掛けてもいつかのあの日の様に何も言葉を返してくれなくて、眉間に皺を寄せた表情から怒っているのは一目瞭然だった。
バタン、と閉じられた車のドア。
発車を待てども進まない為、彼を見やればハンドルに腕を置き項垂れていた。気分でも悪いのかと再度声をかければ長く長く、そして重く息を吐かれた。
｢…焦った｣
普段物怖じせずにハッキリと物を言う彼の声が細く頼りなかった。それが心配から来るものだと痛い程分かって、妙に居心地が悪かった。
『…ごめん。先輩が送るって聞かなくてそれで』
｢全部聞こえとった。でも断りきれなかったのはAだろ｣
『……そう、だけど。』
｢…いや、すまん。上司に言われたら断れんよな｣
コクンとゆっくり頷けば再度すまないと平謝りされ、それと同時にハンドルに置いていた手を頭に乗せられた。
｢Aも怖かっただろ。よく頑張ったな｣
ポンポンといつも通り、本当にいつも部屋でされる様に撫でられただけなのに。先程までの出来事がフラッシュバックしてだんだんと目頭が熱くなってきた。振り解けない腕も、強引に進められたことも、組まれて近づいた肩も。全部、怖かった…のか、私。
鼻水を静かにすすればまた甘やかしてくれる。身体は容易にグルッぺンの胸元に収まった。運転席と助手席だから体勢はキツかったけどそれよりも本当に安心したのだ。
『…あの先輩よりもコネシマさんの方が格好いいし、ゾムくんの方が美味しいお菓子くれるし』
｢…あぁ｣
『ロボロさんの方が仕事出来るし、シャオちゃんの方が面白いし、鬱くんの方が私の気持ちを分かってくれるの』
｢そうやな｣
『トントンさんの方が頼りになるし全然…、皆と全然違うの。仕事中も悔しいけど、グルッぺンの顔が思い浮かぶの』
鼻声混じりの呟きに｢そうか、｣と低い声が相槌を打ってくれる。
それからボソリと囁かれたそれに気付かないふりをした。
｢…クソ可愛い事言われると家から出したく無くなるんだが｣
…それは過剰反応です。
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まる(プロフ) - 久々にこの手の類を見たくなって、極道に始まり、距離バグと脅威入手…団子侍様の独特で丁寧な小説を読んでしまうと、上質すぎて中々他のお話へ飛べませんw 楽しいお話をたっぷり読めて嬉しいです！今後も応援しております…！ (2023年4月10日 8時) (
レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - 冬野さん» 完結してから一番乗りの超絶早いコメントありがとうございます！冬野様には何度もコメントを頂いて本当に嬉しかったです！最後までお付き合いありがとうございました！ (2022年8月19日 1時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - わぁ〜！番外編までお疲れ様でした。すごく好きです。めちゃくちゃ好きです。ありがとうございました。大好きです。(語彙を失う) (2022年8月19日 1時) (レス) @page50 id: 017b983cf1 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - みひろさん» コメント＆ここまで読んでくださって本当にありがとうございます！正しく全員分の心の内だったりを細かく書いて最後に終わりたいな〜と思っております！完結はしましたがどうぞ最後までお付き合い頂けると嬉しいです♪ (2022年8月15日 14時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - 冬野さん» 冬野様 ご丁寧に、また思いの籠ったコメント頂き本当にありがとうございます。色んな方の反応やお声に支えられて無事完結できてホッとしております。今後とも何か作品をあげましたら是非宜しくお願いします！ (2022年8月15日 14時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：団子侍
| 作成日時：2022年1月30日 13時
