検索窓
今日:39 hit、昨日:44 hit、合計:123,218 hit

72 ページ29

.


あまりにも突拍子のない発言にぽかんとなる私。
呆れ顔のトントンさん、ロボロさん。大爆笑のゾムくん、鬱くんと三者三様だった。目の前で高身長バリトンボイス男からドヤ顔をかまされた先輩はと言うとめちゃくちゃ困惑顔をしていた。


「お前飲み会に迎えに来てた奴だよな。は…?Aちゃんの幼馴染って女の子じゃ…」
「ゴリゴリに男だが?」
「……料理上手くて世話焼きで過保護で毎日連絡も絶やさないって言うから普通女の子かと思うだろ!」
「それはお前の勝手な思い込みだろう?現に性別以外は合ってるゾ」


あれ?私先輩にそういえば幼馴染が男ですとは言ってなかったのか。残念やったなぁと悪者顔するグルッぺンと、「お前ら距離感バグってるだろ…」と睨む先輩の図は最高にカオス。


「…なぁ?もうそんなんどうでもええから早よ白状させて警察突き出して帰ろうや」


この状況に痺れを切らしたのか溜息混じりにそう吐き出しのはロボロさんだった。私の腕が心配なのか、視線はずっと手首にあって時折優しく摩ってくれる。
取引先として何度も面識のあるロボロさんが居ることに気づいて一瞬先輩は目を丸くしたが、「俺にこんな事をしてもいいんですか」と呟いた。それにものの数秒で鼻で笑ったロボロさん。


「いいって、何が?俺になんか問題があんの?」
「取引先の合同企画のリーダーの俺をこんな事にして…プロジェクトがどうなってもいいんですか?」
「へぇ、一丁前にこの状況で仕事を持ち出すんや」
「それはそうでしょう。貴方の会社に今回のプロジェクトは不可欠。それに俺が何をしたって言うんですか」


ただAちゃんを家に送ろうとしてただけなのに、と。
悪びれることも無く吐き捨てる先輩の目に悪意は無くて、少しだけ戸惑ってしまった。だけどそんな不安を感じたのか、肩を抱くロボロさんの腕は僅かに力を入れた。


「会社のPCからAの住所抜き出してストーカー行為してた奴がよう言うわ」


瞬間、目を見開いた先輩に事実を悟った。


「…は?適当な事言わないでくださいよ。なんで俺がそんな事」
「お前、PCのデスクトップの鍵付きファイルにAの写真入れてたな。会議の前見てたん、一瞬だけ見えてしまってな」


グルッぺン、Aを頼むわとゆっくりと立ち上がらせたロボロさんの背中は今まで見た中で一番大きくて頼もしかった。


.

73→←71



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (348 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2560人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , 実況者 , おたま
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まる(プロフ) - 久々にこの手の類を見たくなって、極道に始まり、距離バグと脅威入手…団子侍様の独特で丁寧な小説を読んでしまうと、上質すぎて中々他のお話へ飛べませんw 楽しいお話をたっぷり読めて嬉しいです!今後も応援しております…! (2023年4月10日 8時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - 冬野さん» 完結してから一番乗りの超絶早いコメントありがとうございます!冬野様には何度もコメントを頂いて本当に嬉しかったです!最後までお付き合いありがとうございました! (2022年8月19日 1時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - わぁ〜!番外編までお疲れ様でした。すごく好きです。めちゃくちゃ好きです。ありがとうございました。大好きです。(語彙を失う) (2022年8月19日 1時) (レス) @page50 id: 017b983cf1 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - みひろさん» コメント&ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!正しく全員分の心の内だったりを細かく書いて最後に終わりたいな〜と思っております!完結はしましたがどうぞ最後までお付き合い頂けると嬉しいです♪ (2022年8月15日 14時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - 冬野さん» 冬野様 ご丁寧に、また思いの籠ったコメント頂き本当にありがとうございます。色んな方の反応やお声に支えられて無事完結できてホッとしております。今後とも何か作品をあげましたら是非宜しくお願いします! (2022年8月15日 14時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:団子侍 | 作成日時:2022年1月30日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。