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我々組のある部屋の一角。
黒塗りのソファーに腰を掛けていると唐突に"そうだ"と
思いついたかのように話し始める其奴に耳だけを傾ける。


「____そう言えば、お宅の組に女の子を入れたんだって?」


想定外の話題でつい顔を上げる。


gr「……何処で聞いた」

「何処も何も、凄く有名な話だよ。…ね、可愛いの?」

tn「…お前には関係ないやろ」


側に控えていたトントンが低い声で牽制するも、
此奴には効いてなさそうだった


「んー会ってみたいなぁ…。今度会わせてよ、ねっ?」

gr「御前に会わせる義理はない。…それより御前とは仕事の話をしに来た筈だが?」


遠回しの首を突っ込むな、とも取れる発言に
漸く諦めたのか「ハイハイ」と身を引く

その目は爛々と輝いていた


_

暫く真面目な話をし、其奴が部屋から去ると
フーと長く溜息を吐き出した…疲れた

それは隣に居るトン氏も同じだったのか、
同様に溜息を吐きながらネクタイを少し緩める

tn「……彼奴、余計なことせぇへんとええけど」
gr「…トン氏それはフラグと言うやつでは?」

何でや、と眉を顰めて此方を一瞥するも
再び持っていた書類に視線を落とした


tn「因みに聞くけど…グルさん、あの子を手放す気は?」
gr「無いな。」
tn「…即答かいな」
gr「何やトン氏…親父が連れて来た奴今更追い出そうとするんか?頭に謀反か?いいゾ戦争やな!」
tn「マジで1回黙ってくれへんかな?」


ジト目で制される。おぉん…スマン。いつもの癖が。


gr「それにもう頭や俺の意見云々じゃないやろ。ウチの幹部連中はもれなく手放せんくなってるやろ、Aのこと。」


警戒心の高い幹部がたった1人の女に
揃いも揃って絆されてしまっている

…その事実が少し愉快でククッと軽く喉を鳴らすと「何急に笑ってるん」と怪訝そうな視線を寄越す
…何お前余裕ぶってんねん。

gr「トン氏もやろ」
tn「……はいはい、せやな。」

諦めたかのように投げやりに返事をすると、少し真面目な声色に変化させ「で、どないするん?」と問うから間髪入れずに応える


gr「無論、接触はさせない。余計な事をすれば直ぐに摘むだけや。……他の幹部にも彼奴を警戒するように伝えてくれ。」
tn「…分かったわ」




そんな心配もよそに、その足が早くも彼女に近付いていたことを俺達は未だ知る由もなかった。






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ぴく(プロフ) - 個人的に主人公の性格とか(全部)めっちゃ好きです!頑張ってください! (2020年9月21日 9時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - レニさん» 読んでくださってありがとうございます!大先生のところは特に構成を練っていたのでそういって頂けてとてもうれしいです!ありがとうございます! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - しおんこさん» こちらこそいつも変な時間に更新してしまって申し訳ないです…しかし!コメントとっても嬉しいです!!頑張ります!!! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
レニ - すごく面白い…!チノくんとかうつ先生のところの話めっちゃ好きです!これからも読まさせて頂きます! (2019年11月29日 17時) (レス) id: be3a21bb3c (このIDを非表示/違反報告)
しおんこ(プロフ) - 夜遅くにすみません!雰囲気めっさすきですわぁぁー!!まじごっとですぜェ…………!! 更新楽しみにしてますぅぅぅぅ!!! (2019年11月28日 3時) (レス) id: 32a4d591a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:団子侍 x他1人 | 作成日時:2019年9月10日 22時

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