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「それじゃ、ウチの御姫さん返してもらうで?」
「…………近づくな。…お前、…ただの
突如現れた彼はヘラヘラとゆっくり此方に足を向けるが、竜田組の男は私を立たせた状態で首に腕を回しナイフを向けた。よくありがちな人質状態だ。
私はと言うとこの状況でも臆することなく、
平然とされるがままにしていた。
「なんで?ってそりゃ…俺がお前が言う"ただの"構成員やないからな。」
ケラケラと明るく笑い飛ばすと背後の男の腕に力が入り、刃物の切っ先が首にあたる感覚がした。
tn「おいチーノ、いつまで遊んでんねん」
ci「…なんやトントン、遅かったやん。そりゃこんなに相手さんが分かりやすく動揺してくれるなんてやり甲斐あったなぁって思って」
「?!…うっ…」
首に滴る感触に意識を這わせているといつの間にか現れたトントンさんの蹴りによって背後の男が数メートルほど横に吹っ飛んだ。
ci「ヒェ…痛そ〜!」
tn「馬鹿言ってへんと早よ処理頼んだで。もうすぐシッマとシャオロンも来る」
ci「了解了解。」
彼は軽くトントンさんに返事をすると泰然とした態度で顔を押さえ蹲る男の前に立った。
ci「何休んでんの?まだお前には聞きたいこと山程あるんやけど、元せーんぱい?」
「……お前…、組を裏切ったのか…っ」
キッと未だ楽しそうに笑む彼を強く睨む男。
ci「…………やだなぁ、何を勘違いしてるん?…裏切ったも何も、俺は最初から
「なっ……、…ウチにどうやって入った…?!」
ci「それは企業秘密に決まってるやん」
"だってほら、俺、詐欺師やし?"
一方の私はあまりの展開の速さに脳内処理が追いつかないで呆然とその場を見つめていた。
tn「……大丈夫やったか?…あぁ、チーノが遅かったから血ぃ出てしまってるやんけ」
『…トントンさん?』
tn「…俺に触られるの嫌かもしれへんけど今だけ我慢してな」
話しかけられて顔を見上げると突然ふわりと床から身体が浮かぶ感覚がしたので、慌てて近くの肩口を掴むと本日初会話記念日のトントンさんに横抱きにされていた。
『……?!』
tn「フッ…反応遅っそ。あんた怪我してもうたからペ神の所に連れて行くからな」
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ぴく(プロフ) - 個人的に主人公の性格とか(全部)めっちゃ好きです!頑張ってください! (2020年9月21日 9時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - レニさん» 読んでくださってありがとうございます!大先生のところは特に構成を練っていたのでそういって頂けてとてもうれしいです!ありがとうございます! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - しおんこさん» こちらこそいつも変な時間に更新してしまって申し訳ないです…しかし!コメントとっても嬉しいです!!頑張ります!!! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
レニ - すごく面白い…!チノくんとかうつ先生のところの話めっちゃ好きです!これからも読まさせて頂きます! (2019年11月29日 17時) (レス) id: be3a21bb3c (このIDを非表示/違反報告)
しおんこ(プロフ) - 夜遅くにすみません!雰囲気めっさすきですわぁぁー!!まじごっとですぜェ…………!! 更新楽しみにしてますぅぅぅぅ!!! (2019年11月28日 3時) (レス) id: 32a4d591a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:団子侍 x他1人 | 作成日時:2019年9月10日 22時