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ここでふと、初日に頭に言われた言葉が心の片隅に浮かぶ。
「この世界は命の尊さを忘れた奴から死んでいくぞ」
そんな事知ったこっちゃない。
希望など持っても無価値で無意味なのを私は知っている。
返事に満足したのか否か男は何故か怪しくその綺麗な顔に笑みを浮かべた。
gr「お前やっぱり俺に嫁げや。」
『…は?』
この男は何を口走ってんの???
返事がないからか男は再度"俺の嫁になれ"と淡々と言った。
『…話の脈絡何処に行きました?』
gr「知らん俺がルールだ。嫁になれ」
ちょっとこの若頭何言ってんの????
まじで急に頭沸いたの????文脈って知ってる??
完全に理解できない頭で「突然なんですか…?」と返答した私を誰か褒めて欲しい本当に。
『お言葉ですけど、先程まで私に対して軽く殺気放ってましたよね?本気で言ってます?』
gr「殺気も分かるんかお前…俺はいつでも本気やし、Aのことを欲しいと思ったから言ってるぞ」
『……私なんかには勿体無いお話かと』
gr「頭も俺も言うてるから構わんやろ。それにその胡散臭い話し方も止めろや、お前ほんとは口悪いやろ?」
なんでこの人は断定口調で話すんだよ、合ってるけどさ…。
何故だか意地になり私は貼り付けた笑みも敬語もそのままにその後の会話を暫く続けたがこの男、なかなかに強引で話にならない。
gr「ま、俺はお前のこと認めたからこれから改めてよろしく頼むぞA!」
『……好きにしてください。』
結局の所押しにやられ若頭では無く名前で呼ぶことを強要された。…というかこの人声と最初の性格があってなくないか?
gr「さあ今日の所はもう寝ろ……それとも添い寝が必要か?」
フッと突然色気を放ちながら指を顔に添えるので思わず真顔で結構ですと手を叩き落としてしまった。私悪くないよこれ…この人顔がいいことだけは自覚して欲しいこれはマジで。
それすらも軽く笑うとおやすみ、と告げられたので同様に返して私は部屋に戻った。
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gr「……という訳や、トン氏。」
tn「どういう風の吹き回しや…」
縁側の隅の壁で恐らく聞き耳を立てていたトン氏は呆れながら俺を見る。
gr「Aを見てると彼奴と重なって見えてな…1人の人間として欲しくなった。」
tn「……好きにしぃや。」
夜風がヒュウ_と染みたが否定をしないこの優しい男もきっと同じ思いだと長年の付き合い故に悟った。
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ぴく(プロフ) - 個人的に主人公の性格とか(全部)めっちゃ好きです!頑張ってください! (2020年9月21日 9時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - レニさん» 読んでくださってありがとうございます!大先生のところは特に構成を練っていたのでそういって頂けてとてもうれしいです!ありがとうございます! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - しおんこさん» こちらこそいつも変な時間に更新してしまって申し訳ないです…しかし!コメントとっても嬉しいです!!頑張ります!!! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
レニ - すごく面白い…!チノくんとかうつ先生のところの話めっちゃ好きです!これからも読まさせて頂きます! (2019年11月29日 17時) (レス) id: be3a21bb3c (このIDを非表示/違反報告)
しおんこ(プロフ) - 夜遅くにすみません!雰囲気めっさすきですわぁぁー!!まじごっとですぜェ…………!! 更新楽しみにしてますぅぅぅぅ!!! (2019年11月28日 3時) (レス) id: 32a4d591a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:団子侍 x他1人 | 作成日時:2019年9月10日 22時