十三節 side光 ページ39
大事な、大事な妹がこの家から出ていった。
Aへのお土産を持って久々に海外から帰ってきたら家族が大変な事になっていた。
「琉生でも連絡が取れていないんだよな?」
無理矢理あの場を解散させ、要、棗、梓、琉生、祈織、風斗を呼び出した。
「う、ん」
「...僕は取れてるよ」
「は?!」
「風斗、どういう事か説明して」
食堂で偶然遭遇した事、その時話した事、連絡する約束をした事____。
「それで今日も会ってきた」
「A、と?」
琉生が驚いた顔で風斗を見た。
「うん。定期的に会わないと姉さんLineの返事してくれないから」
「そう...」
「さっきも言ったけど俺も今日Aに会ったよ。本当に偶然だったけど」
と要が話し出す。
用事を終えて帰宅途中に会った事、Aが男と一緒に居た事、帰る気が無さそうな事。
自虐的に笑った要が
「...凄い拒絶されたよ」
と独り言のように呟いた。
...相当堪えているな。
「そのAと一緒に居た彼、制服は見たから探せば彼には会えると思う。Aが同じ学校かは解らないけど彼とは親しげだったから何かしら知っているんじゃないかな」
「...要兄さん、それどんな制服か説明できる?」
それまで黙って聞いていた祈織が口を開く。
「えっと確か___」
要が制服の特徴を上げると
「知ってる。僕の高校の2つ隣の駅が最寄りの夜間制の学校だ」
「よっしゃ、よくやった祈織」
ついガッツポーズをしてしまう。
「待って、僕そこに知り合い居る」
「風斗も?偶然だね、僕も1人だけ知ってるよ」
学校名を聞くと風斗と梓が反応した。
「仕事で何度か一緒に撮影したことある」
「僕は1、2回程度だけど...」
「OK。梓、いつ空いてる?」
「明日が丁度オフだよ」
「じゃあ明日さっそく要と行って」
「ひーちゃん...俺明日仕事あるんだけど」
「Aのためならいつでも休む準備してんでしょ、アンタ」
「まぁね」
「要の言っている”彼”に聞いても”知り合い”に聞いてもいいから何がなんでもAの話を聞いてきなさいよ」
「わかった」
「了解」
Aを、この家で迎える準備をしよう。
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苑歌(プロフ) - アルムさん» 100票目取ってしまいました!!好きな作品だから嬉しいです。更新まだかまだかと毎回毎回見てます笑。 (2020年5月15日 13時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - マレさん» わあぁ嬉しいです!ご期待に沿えているかはわかりませんが...(笑)引き続きよろしくお願いします!! (2020年5月15日 13時) (レス) id: 9fec9f9c9f (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - 苑歌さん» お心遣いありがとうございます(泣)これからもよろしくお願いします (2020年5月15日 13時) (レス) id: 9fec9f9c9f (このIDを非表示/違反報告)
マレ(プロフ) - こういう感じの話を探してたんです!!ディアラバもブラコンもどハマりしてた時期あったので嬉しいです!!続き待ってます(・ω<) (2020年5月14日 13時) (レス) id: dbfa7fe28a (このIDを非表示/違反報告)
苑歌(プロフ) - 面白いです!2つとも好きなのでサクサク読めました!応援しています!無理はしないでくださいね。 (2020年5月13日 10時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルム | 作成日時:2018年11月24日 22時