私の家族3【BROTHERSCONFLICT】

一節　side風斗 ページ27

待ち合わせた場所に先に入る。





変装もちゃんとした。





「アイスコーヒーひとつ」





アイスコーヒーを頼んでちょうど運ばれてきたと同時に





「いらっしゃいませー」





と少し間延びした店員の声が聞こえる。





「お一人様でしょうか？」





「いえ、人と待ち合わせしてて…」





この声は間違いない。





「姉さん」





「風…じゃなくて、えっと」





「いいよ別に風斗で」





「でも大丈夫なの？」





僕が頷いたのを見て姉さんはわかった、と向かいの席に座った。





「カフェオレの…アイスひとつお願いします」





「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ」





店員が離れてしばらくした後姉さんは口を開く。





「アイスコーヒーなんて飲めるようになったのね」





「当たり前でしょ？子ども扱いしないでよね」





「ふふっ、そうね」





そうやって笑う表情は、相変わらずで。





まるであの日のことなんてなかったかのように。





「相変わらず忙しそうね」





「まあね。ドラマの仕事も入ったしこれからはもっと忙しくなると思うよ」





「ドラマ？凄い！…でも大丈夫なの？」





こういうところも相変わらずだ。





暗に『貴重なオフを私なんかで潰しても良いのか』と言ってくる。





「あのさぁ…僕の予定は僕が決めるの。連絡してって言ってるのにただでさえ少ないんだから直接会わないとわからないでしょ？」





「うっ…」





「僕に休んで欲しいなら連絡ぐらいちゃんとしなよね」





バッサリと姉さんの言葉を切ると目に見えて落ち込んでるのが見える。





……懐かしいな

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