二節 side要 ページ3
みんながそれぞれ自室に戻る。
その場には俺となっちゃんとあーちゃん、そして琉生が残った。
「……」
3人とも黙り続けて何も言わない。
「…俺たちも、同罪だよな」
なっちゃんが俯きがちに言った。
「直接的にAを傷つけてなくても、気づいてやれなかったことと、ちゃんと助けてやれなかったこと、気持ちだけで行動に移せなかったこと…同罪だよな、」
ほんと何やってるんだか、と吐き出す。
「………ごめん」
あーちゃんが唐突に口を開いた。
「椿を止められなくてごめん。Aから助けを求められてたのに無視してごめん、ごめんね」
「あーちゃん…」
あーちゃんの目には涙が滲んで。
「許されるなんて思ってない。でも、ずっと後悔してて…ほんと、」
「あーちゃん、Aはたぶんわかってるよ。でもそれ以上に心がボロボロだったからあーちゃんに対しても何も感じてなかったんだよ、多分ね」
歳上ぶってあーちゃんを慰めてみてもAの気持ちなんて誰にもわからない。
俺も例外じゃないんだ。
Aがどんどん塞ぎ込んで行くのに気づいてたくせに何もしてやれなかった俺も、Aの兄として誰よりもAを大事にしてた琉生も。
離れていてもAに懐かれてAを大切にしてたなっちゃんも、つばちゃんと一緒にAと遊んで色々なところに行ってたあーちゃんも。
13人でAを追い込んで、傷つけて。
もうしばらくの間Aの笑顔なんて見れてなかったし会話もしてない。
兄弟らしいこと以前に家族らしいこともしてやれないで放ったらかして無視をして。
Aの言葉も聞いてやれなかった。
そんな俺らにわかるはずもないんだ。
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苑歌(プロフ) - アルムさん» 100票目取ってしまいました!!好きな作品だから嬉しいです。更新まだかまだかと毎回毎回見てます笑。 (2020年5月15日 13時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - マレさん» わあぁ嬉しいです!ご期待に沿えているかはわかりませんが...(笑)引き続きよろしくお願いします!! (2020年5月15日 13時) (レス) id: 9fec9f9c9f (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - 苑歌さん» お心遣いありがとうございます(泣)これからもよろしくお願いします (2020年5月15日 13時) (レス) id: 9fec9f9c9f (このIDを非表示/違反報告)
マレ(プロフ) - こういう感じの話を探してたんです!!ディアラバもブラコンもどハマりしてた時期あったので嬉しいです!!続き待ってます(・ω<) (2020年5月14日 13時) (レス) id: dbfa7fe28a (このIDを非表示/違反報告)
苑歌(プロフ) - 面白いです!2つとも好きなのでサクサク読めました!応援しています!無理はしないでくださいね。 (2020年5月13日 10時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルム | 作成日時:2018年11月24日 22時