きゃ！どんどん強くなっちゃう！ (ページ45)

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姉さんの言葉に固まる

なにそのトンデモ理論
それ究極のわがままっていうんだよ

呆れというか、一瞬たわんだその場の空気のせいで、冷静になる

『あ、いつものイルミのオーラに戻った』

ニコッと笑った姉さんを見てため息を吐いた

「ちょっと頭冷えた。

でも嫌だな…本当に嫌だ」

そう言いながら姉さんに覆いかぶさるみたいに抱きついた
姉さんはしっかり抱きしめてくれる

背中を撫でて、首をなぞって髪の毛を撫でる

姉さんは落ち着く、理由はたくさんあるけど、一番は全部を受け入れてくれるから
だから安心する、こんな生業をしているからこそ余計に

さっき言った言葉は本当だ。姉さんは俺に殺されてもいいと本気で思っている。それは前からずっと言われているし、他ならない信頼を得ているってこと。

兄弟でも恋人でも普通はそんなこと思わないだろう

姉さんは自分が愛すると決めたものには盲信する
愚かなくらい無防備

『イルミには我慢させてばっかり、ごめんね』

「ちゃんと毎日連絡してよ。定期的に会いに行くから。なにかわからないことがあったら俺に連絡して。絶対約束。約束破ったら俺もここ出て行って姉さんとずっと一緒にいるからね」

『お父様怒るぞ～』

「親父は兄弟の誰が出て行ったとしても止めないって言ってたよ」

『なんだ、聞いたのか～』

チェッと口を尖らせた。本人から直接聞いちゃったならカマのかけようがないわと話す

「まあ、今までの2ヶ月間と変わらない状態が今後も続くだけよしとするよ」

俺は身体を起こして姉さんも起こす

「悪い男にだけは引っかからないでね」

『悪い男って？』

「姉さんの見た目だけに寄ってくるような男とか、ゾルディックの血や家柄を狙う奴とか、姉さんを利用しようとする男すべてのこと」

『(最後の言葉には思い当たることがありすぎる
でもそれは私も同じことなので、それなら平等！大丈夫！)』

「てゆーか、男が付き纏ってきたらすぐ殺して、難しいなら呼んで、2人がかりなら余裕」

『(殺すのは厄介な人だけど、付き纏ってるの私の方…！てか、付き纏わせてもらってるというか、)』

『わかった！すぐ連絡するから！』

やけに力強く約束するな。
姉さんなら大抵の男は取るに足らないけど
一度信頼を得てしまうと姉さんほどちょろい存在はいない

まあ、週に一回は会うつもりでいるから大丈夫かな