きゃ！どんどん強くなっちゃう！ (ページ44)

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イルミside

親父もみんなありえないんだけど、愛してるから手元から離すの？
もしそれで何かあったらどうするわけ？仕方ないって割り切るわけ？自分とずっとそばにいれば起きなかったことなのに？

無責任でしょそんなの？
俺はそんなことしないから、姉さんに何かあったら俺が命をかけて守るから

だから俺の目の前から消えないで

消えるくらいなら、
誰かに奪われるくらいなら、
この手で摘むよ

それでずっと俺の永遠になればいい

禍々しいオーラを放ちながら廊下を大股で歩く

その先はAの部屋

静かに部屋に入る
毛布もかけずに目を瞑っている彼女を静かに見下ろす

手を伸ばした時Aの騎士がそれを阻んだ

ディルは臆することは微塵もない瞳で俺を捕らえた

まずはこいつをやらなきゃな

そう思った時

『ディル、やめなさい』

姉さんが目を開けた。天井を眺めながら、ゆっくりとディルに言う

ディルは姉さんに何か訴えているようだ
けれど姉さんは微動だにしない

そして一言

『私の弟に手を上げたらお前だって敵だよ。
その存在ごと消してあげる』

わかったらその手を離しなさい

その言葉とともにディルは俺から手を離して姉さんのそばに座った

姉さんは目を閉じた。心を落ち着けることに集中しているようだ。

深い呼吸を繰り返しながら姉さんは横になっていた

『酷い殺気ね、私を殺しにでも来たの？』

「うん、姉さんがオレのそばからいなくなるくらいなら、ここで殺して俺も死ぬ」

俺の言葉に姉さんは笑った

『あはは、イルミらしくないな…できないことを口にするなんて』

「…」

やっと目を開けて俺の顔を見る
そしてなんとも言えない顔で笑った
それ、どんな感情？何を思ってそんな悲しそうな笑いかたするの

「俺、本気なんだけど」

『そっか、でも姉さんイルミが死ぬのは嫌だな』

「なにいってんの？自分は先に死ぬのに」

『それでも嫌だ。イルミに殺されるなら姉さん喜んで死ぬ。でも姉さんのせいでイルミが死ぬのはダメ。だから、イルミに私は殺せない』

ハッキリと断固としてそういった