きゃ！どんどん強くなっちゃう！ (ページ41)

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地下へ降りて、パスワードでロックされた厳重な扉を前にする

『ディル…すべての扉を壊して』

ディルは頷いて扉を賽の目状に切って行く

警報装置が鳴り響く
それでも誰も来ない
皆んなミルキの部屋でこの状況を監視している

ならいいや。好きにしてもいいってことだから

最後の扉を鮮やかに破壊したディルは使命を終えて姿を消した

アルカは驚いて部屋の端っこに隠れていたが私の姿を見ると笑顔で駆け寄ってきた

「お姉ちゃん！おかえり！」

『アルカ、ただいま』

アルカは私が抱きしめてくれて、そのまま抱っこしてくれることを知っているから全体重を私に任せる

抱っこ慣れしたアルカは嬉しそうにしている

『お姉ちゃんいない間大変だったね』

「アルカね、ここにいないといけないんだって」

『アルカは自分が何したのかわかる？』

優しく聞く
アルカはうーんと悩んでいた

『そうだよね、まだよく分かんないよね』

「アルカ、ダメな子？いらない？」

こんなに素直で無垢な子を1人きりにしてあまつさえ利用しようとするなんて

私は首を大きく横に振った

『アルカよりいい子お姉ちゃん知らない』

お姉ちゃんのこと信じられない？と聞くとお姉ちゃんのこと信じる！とニコニコする

「でもね、ナニカが泣いてるの。寂しいって泣いてる」

『ナニカ、お姉ちゃんにお顔見せて』

アルカの顔が変貌して別の存在が現れた

「アイ…オネエチャン」

『ナニカは、お姉ちゃんのこと好き？』

「オネエチャン、スキ、スキ」

『お姉ちゃんもだーいすき。もう悲しくない？』

「…悲しくないって」

いつものアルカがニコッと笑った

『じゃあ、アルカ、お姉ちゃんと一緒にここから逃げよう？』

「逃げる？どこに？」

『ずっと遠く、お父様にもお母様にも見つからないところ、寂しい？』

幼いアルカでも、なんとなく察しがついたようだ。私以外の家族と今後一切会えなくなることを

アルカはうーんとしばらく考えた

「お姉ちゃんと一緒なら寂しくない。とっても嬉しい。でも、お兄ちゃんがとっても寂しくなっちゃう」

『…っ、キルアお兄ちゃんのこと？』

「うん！アルカがここにいればみんな悲しくない」

あーあ本当に天使。なんて優しい子