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近づくほどに禍々しい念を強く感じる
静かな緊張感の中ヒソカの前に来る
彼を見上げると彼も私を見下ろした
バンジーガムが付いている腕を差し出す
『約束よ』
「うん♠約束だ」
私の左腕にヒソカの右手が触れた
擬で確認したら確かに取れていた
でも手を離してくれないヒソカ
笑顔で私を見ている
少しイラっとしたがこれでまた攻撃したら相手の思う壺、戦わないで相手に諦めてもらわなければならない
これで離してとお願いしたらまた違う要求をされそうだし…
『もう触っている必要ないんじゃない?』
「ボクは必要だと思ってる♠だって逃げちゃうじゃないか」
『??』
戦う意思がなければ飽きてどこか行ってくれると思ったのに
そんな思惑を理解しているようにヒソカは笑う
「ボク、Aの全部に興味もっちゃった♡」
今、すごいフラグ立ってしまってない?
1番関わっちゃいけない人に興味持たれちゃった
『………』
「あれ♡反応なし?」
現実を受け入れられずに思考が停止していた隙にヒソカが私を引き寄せた
おでことおでこがくっつく距離
楽しそうな笑顔のヒソカ
「連絡先交換するか、このままボクとキスするか…選んでいいよ♡」
その言葉を聞いて、ふつふつと湧き上がる感情
私はキュッと口を結んで、大きくのけぞり精一杯の力で頭突きをかました
「♡!!?」
怯んだヒソカの腕を払い除けて距離を取った
呼吸を整えて、おでこを抑えるヒソカを見る
『私、あなたみたいな乱暴な口説き方する人好きになれないの』
明らかな嫌悪感を彼に向けて言葉を吐き出す
『さようなら、もう会いたくないわ』
彼に一瞥もくれずディルに抱き抱えられ暗闇に消えた
その姿を気配が消えるまでずっと追うヒソカは至高の境地に達していた
「〜っ♡…完璧だよ♡」
ヒソカは消えた方向に向けて1人呟いた
絶対にまた会いにいくよ♡
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作者名:ふぇもふぁ | 作成日時:2020年5月18日 20時