040 ページ41
「でもお姫様の活躍の機会はまだまだ先だなァ」
「ふふ、暫くは千空先生にこき使われるのね」
ろくにお手伝いしたことないのに出来るかしら。
「……なぁ、そのお姫様ってなんだ」
「あ゙?お姫様も知らねえのか?」
「いや、お姫様は分かるが…」
「…千空、Aのことお姫様だと思ってんのか?」
尊敬の眼差しから一転、ジト目で見つめてくるコハクとクロム。
「顔は人形みてえに綺麗だし、仕草は上品だろ?」
"どう見てもお姫様だろ"と言う千空の顔は真剣。千空は幼い頃にお父様に"お姫様だ"とわたくしを紹介されてから、事ある毎にお姫様扱いをしてくる節がある。
こういうの刷り込みって言うのかしら?
「…千空が言っていた"恋愛脳は非合理的"というのはこういうことか…」
「言ってることは頷けるけどよ……盲目ってこういう状態のことを言うんだな」
コハクとクロムの視線はしらけ切っていた。
翌日。
クロムコレクションの磁石で川底に近付けるわたくし達。
「おおお、めっぽうたくさんついてるぞ。怪しげな黒い砂が……!」
「ふふ、それが砂鉄よ」
「いよいよ科学王国ロードマップ一歩目──鉄の時代の幕開けだ。唆るじゃねえか…!」
順調に砂鉄集めをしていたわたくし達だが、それなりにこの作業は体力を消耗するらしく、コハク以外はあっという間にバテてしまった。
「すげえな、雌ライオン。テメーらの村は全員ああなのか?」
「怪力のゴリラは何人かいるけどな。身軽なゴリラはコハクだけだ」
「だからゴリラじゃない!!」
「女の子にそんな表現使わないの」
"身軽に働け"と怒られて渋々動き始める男性陣。
わたくしは腰掛けたままコハクを眺める。それだけ力があるのに筋肉隆々というわけでもない。静かに座っていたなら、まず力があるようには見えないだろう。
「コハクはどう見ても華奢な可愛いお嬢さんにしか見えないのだけど…」
「はぁ!?」
コハクが頬を染めて勢い良くわたくしを見る。
……何か変なこと言ったかしら?
405人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね! (2021年3月30日 7時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ! 頑張って下さい ! (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:御影ゆき | 作成日時:2020年5月23日 20時