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「─人質にされていた少女と妖術使い…！生きていたのか…!!」
天然の金髪に碧眼。外見は西洋人に見えるけど、彼女の口から出たのは訛りのない日本語だ。
「無駄口叩くな。自己紹介は後で飽きる程聞いてやっから体力温存しやがれ」
千空は倒木と地面の隙間を見ると、女の子に"夕方まで粘れるか？"と声を掛けた。
言われた女の子はキョトンとしている。
「もう限界ならちょい残しの火薬で一か八かブチ飛ばす。だが粘れるなら、死ぬほど時間かかるが100億％助けてやる!!テメー本人じゃなきゃ分からねえ二択なんだ、ソッコーで決めろ！どっちだ!?」
千空の焦りを滲ませた声が女の子を急かす。
「ああ、内臓も骨も無事だ。粘れる!!」
女の子は力強く返事をした。
「A、ロープ作ってくれ！結構な長さが要る！」
「分かったわ」
草を石器で刈ると繊維を縒り合わせてロープを作る。人命が懸かっているから短時間で仕上げなくてはいけない。焦りが出そうになるけど、それで手元を狂わせないように慎重にロープの長さを伸ばしていく。
「もう充分だ」
千空にポンと肩をたたかれ、辺りが夕日でオレンジ色になっている。
「あとは俺に任せろ」
そう言って千空が作り上げたのは滑車だった。
「なんなのだ、これは……」
女の子は滑車を初めて見たらしい。
「発明は紀元前数百年、アルキメデスのオッサンだ。一高校生のゴミみてえな力を怪力に変換する滑車だよ…！」
千空が幹を蹴ってロープに全体重を乗せると、滑車が動いて大木を持ち上げた。女の子と大木の間に隙間が生まれ、わたくしは彼女を大木の下から移動させる。半ば引き摺るようになってしまったのは心苦しいけど、安全が第一だもの。
「素晴らしい…」
わたくしの身体に凭れかかるように座らせると、女の子は千空を見つめたまま呟いた。
「そのアルキなんとかの知恵がじゃない。君の一歩一歩問題解決へと楔を打ち続ける、揺らがぬ信念がだよ。……私の名はコハク。どうやら私は君のことがめっぽう好きになってしまったようだ」
……あらあら、これはこれは。
「思わぬライバルが誕生ね」
わたくしが呟くと、千空は困惑しきった表情を浮かべていた。
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ようやく2巻が終わりました。
先は長いですね。
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御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね！ (2021年3月30日 7時) (
レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ！ 頑張って下さい ！ (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御影ゆき | 作成日時：2020年5月23日 20時
