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大樹が千空とAの二人を抱えて、2人も司と反対方向の森の中に向かった。
雨が降ってきたところで大きな木の下で立ち止まる。
「まさか2人が死んじゃうなんて…」
「……千空は頭が良い奴だ。何か助かる方法を考えていたはず…!」
大樹と杠は考え込む。
暫くして、杠が"あっ"と声を上げた。
「…ねえ、大樹くん。千空くんが"石化が戻る時、細かい破損は繋がる"って言ってたよね…?司くんが"頸神経を砕いた"って言ってたから、もし首辺りに石化したままの部分があれば…!」
「そうか!石化から目覚めてずっと千空は首ばっかりゴキゴキ鳴らしてた!あれは昔からの癖じゃない!」
大樹と杠はそれぞれ千空とAの首部分を調べる。
「あった!千空の首に石化が残ってたぞ!」
「Aちゃんの首にも!」
石化復活液をかけると首部分の石化が解ける。
「千空!お前は希望の星なんだ!!Aも戻ってこい!千空の隣にはAがいなきゃ駄目なんだ!!」
「私、千空くんともAちゃんともまだまだお話ししたいこと沢山あるんだよ…!」
大樹と杠は千空とAに呼び掛け続けた。
「……い!おい!起きろ!」
肩を揺すられてわたくしは目を開ける。
目の前には千空の顔。
その背景は私の部屋。
でもわたくしはさっきまで……
「……理想の世界を作り上げるために貴方の存在は邪魔だからって、わたくしは人質にされてなかったかしら?」
「大丈夫かお姫様。疲れてんのか?」
千空にすごく変な顔をされた。
「…千空はどうして家に?」
「…あ゙?お姫様が "家族全員留守だから泊まりに来て"って言ったんじゃねえか」
千空に言われて記憶に霞がかかっていて何も思い出せない。逆に夢のはずの石器時代の方がリアルに思い出せるのはどうしてかしら。
わたくしがぼんやりしているのを不審に思ったのか、千空の手が額にあてられる。
「…熱はねぇな。ホントに具合悪いのか?飯食えそうか?」
ベッドに腰掛けた千空にぺたぺたと頬を触られる。
「…いいえ、大丈夫よ。冷めてしまったら折角のお料理が勿体ないわ」
そう言ってベッドを出ると、同じく立ち上がった千空が手を差し出してくれる。
千空に手を引かれるまま、食堂に向かった。
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今回は杠が人質ではなかったので、石化解除の件は結構考えました。どうにかこうにか形になってると嬉しい。
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御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね! (2021年3月30日 7時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ! 頑張って下さい ! (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御影ゆき | 作成日時:2020年5月23日 20時