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ゴールの箱根といえば温泉。
喜色満面で浸かったものの、あまりの熱さに早々にリタイアしたAは、楽しそうに俯せで硫黄を採集する千空の傍に行くと、その背中に頭を預けた。
「……どうした？」
「あら、重いって言われるかと思ったのに」
随分と優しげな声に問われ、Aはクスクスと笑う。
「10年も一緒にいんだぞ。何か言いたいことあるのぐらい分かる」
「……貴方にこの先色々と重荷を背負わせてしまうことになるのが心苦しいわ…」
「ククク、そんなことか。こっちは科学文明発展させるのに躍起で重荷なんか感じてる暇ねえよ」
だから気にすんな、と言う千空の言葉にAは頭を上げると、千空の頭を自分の腿に招く。
「…ちゃんと甘えてよね」
「おう」
短い返事とともに腿にグリッと頭が押し付けられた。
夜が明けて。
「さ〜ァ、楽しい火薬クッキングの時間だ…！」
千空の指示で火薬作りがスタートした。
硝酸カリ75%、硫黄10%、木炭15%に砂糖を加える。
後はそれを叩いて固めるだけだったのだが、人選と石選が拙かったというべきだろうか。
体力自慢の大樹が鉄を含んだ巨大な石で叩いたことで火花が散り───
それはそれは盛大に爆発した。
「大成功じゃねえか、火薬クッキング！」
「あら、盛大ねえ」
立ち上る黒煙を前に楽しげな千空と、穏やかに微笑むA。
「…これで司くんを攻撃──するの？」
「……いや、取引する」
恐る恐るといった様子で尋ねた杠に千空が返した答えは実に平和的だった。
「大樹とバトった時、"何の取引にもなってない"って言ってただろ？逆に言やあ、戦況次第で取引の余地はあるってことだ。火薬武器さえありゃ優位に立てる」
その言葉に顔を見合わせて安堵の表情を浮かべる大樹と杠。
「……果たしてそう上手くいくかしらね」
Aの小さな呟きは千空の耳だけが拾っていた。
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御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね！ (2021年3月30日 7時) (
レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ！ 頑張って下さい ！ (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御影ゆき | 作成日時：2020年5月23日 20時
