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「…付き合ったんじゃねぇの、」
「誰が?」
「…おまえ、…ダテさんと」
「付き合ってない」
「…でも、告白されたんだろ」
「なんで知ってるわけ?」
もごもごと口篭る深澤に、益々腹が立つ。
「だいたい、何を知ってんのよ。お前の事ならなんでも分かる、とか言っちゃってさ、何にも分かってないくせに」
「…それは、」
「お前にだけだ、って何?口説き文句?一体何人に言ってきたわけ?」
「んな事言ってねーよ、」
「言ってたでしょ、まさか言い過ぎて覚えてないとか言うつもり?みんなに同じように優しくして、一回ヤってあとはポイって、女の子の事なんだと思ってんの」
「A」
「そうやって今まで遊んできたんでしょ。深澤は、他の人とは違うって、私は思ってたのに、…私も深澤の、遊んできた中のただの一人で、結局何も他の子と変わらなかった」
「ちげえよ」
「思わせぶりにも程がある、だからチャラいって言われるんだよっ、」
「だから違ぇって!」
グイッと手首を掴まれて顔を見る。
こんなに怒ってる深澤、初めて見た。
…ていうか、なんで深澤が怒るのよ。
…怒ってるのは、こっちだ。
「それは、違う」
「…なにが違うの?友達に戻れなくしたのはそっちじゃん!だったら無かったことにして、今まで通り普通に接して欲しかった、」
「そんな事出来るわけないだろ」
「一回ヤれれば満足だから?」
投げやりにそう言えば、眉間のシワを深くして手首を掴む手に力が入る。
「ちげえよ。そうじゃなくて、…好きな奴に手出して、無かった事になんて出来るわけねぇだろ」
「なに、それ、…そうやって、修羅場から逃げてるんだ、いつも」
「だぁーもう!ちげぇって!」
「っ、」
涙を止める術を考えるくらいなら、思いっきり声をあげて泣いてしまおうか、なんて思いながら俯く私の腕を引っ張って、下から掬い上げるように唇が重なる。
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バンビ(プロフ) - 葉月さん» 葉月様、コメントありがとうございます。これからも楽しんで頂けるように頑張ります。これからもよろしくお願いします。 (2022年4月22日 16時) (レス) id: 0059ecb2b1 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 本当に話一つ一つ大好きです。これからも応援しています!無理になさらないように自分のペースで頑張ってください♡ (2022年4月22日 15時) (レス) @page49 id: e15b346611 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2021年12月4日 22時