ハーバード・クーラー

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あんなに好きだった数学の時間が、嫌いになりそうだった。











宮舘君とどんな風に接したらいいのかも、深澤と距離が生まれたままなのも、全部が全部、私の悩みの種になってしまって、宮舘君に片想いをしていたあの頃に戻りたいとさえ思ってしまう。












「おはよう」











「…おはよう」











せっかく普通に接してくれているのに、私が曖昧な態度を取るからまた、困らせてしまう。












最近は、宮舘君のそんな顔ばかり見ている気がする。












「…あのね、宮舘君」












このままずるずると、なんて一番失礼だと思った。











正直に気持ちを伝えてくれた宮舘君に、私もまた、ちゃんと伝えなければいけない。











「Aちゃん。今日、一緒に帰らない？」












私の雰囲気から話したい事を察したのか、宮舘君がそう言った。












そうだ、なんでこんな大事な話を、授業の合間になんか。











ため息が出そうになるのを堪えて、それでも何でもないように笑ってくれる宮舘君の優しさに、無性に泣きたくなった。














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