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きっとまた困った顔してるんだろうな、と思ったらなんだか目の奥がツンとした。
「Aちゃん」とふいに腕を掴まれたかと思うと、軽く引っ張って向き合わされるから、その拍子に目の縁に溜まったものが零れてしまう。
「Aちゃんが告白してくれた事、俺が迷惑だと思ってると思ってるの？」
「…痛い、よ」
ハッとしてごめん、と言うと力は緩まるが掴まれた腕は離してくれない。
「そんなわけ、ないよ。だったら、あんな事言わない」
…分かってる。
分かってた。
あれは宮舘君の本心なんだって。
彼は嘘なんか付くような人じゃない。
俯く私に、優しい声が降る。
「最近、Aちゃんが綺麗になったって、噂になってる」
揺れる瞳がぶつかって、離れていく手が、頭に触れる。
「…そんなこと、ないよ」
「俺、知りたいよ。そう言われる理由も、その涙の理由も。どんな答えでも、Aちゃんの事、知りたいって思ってる」
「…どう、して」
「好きなんだ」
……どうして。
「優しさとか、同情とか、そんなんじゃない。Aちゃんが告白してくれて、知りたいと思った自分の気持ちに正直になって、俺なりに向き合ってきた」
…どうして、私は、…彼の口から一度で良いから聞いてみたいと願った言葉達に、耳を塞ぎたくなってしまうんだろう。
「時間をかけて分かってもらえるようにするなんて言ったけど、やっぱりそんな時間なんてなかったね」
「…宮舘くん、」
「今がチャンスだって、思ってる。頭から離れない奴がいるなら、どんな手を使ってでも俺の事で頭がいっぱいになればいいって、ズルいけど、そう思ってる」
…私だって、分かんない。
溢れ続ける涙の理由が、何かなんて。
胸が苦しい理由が、嬉しいはずなのに素直に喜べない理由が、いつの間にか宮舘君じゃない別の存在が私を支配している理由が。
私はだって、宮舘君の事が好きであるはずで。
ちゃんと、胸がドキドキして、心が動いているはずで。
「……わたし、」
「いいよ」
優しく髪を梳く手も感触も、引き寄せられた腕の中も、深澤とは違う。
…どう、違う？
「今は、いい。でも、俺の事ももっと考えてよ」
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バンビ(プロフ) - 葉月さん» 葉月様、コメントありがとうございます。これからも楽しんで頂けるように頑張ります。これからもよろしくお願いします。 (2022年4月22日 16時) (
レス) id: 0059ecb2b1 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 本当に話一つ一つ大好きです。これからも応援しています！無理になさらないように自分のペースで頑張ってください♡ (2022年4月22日 15時) (レス) @page49 id: e15b346611 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ
| 作成日時：2021年12月4日 22時
