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「Aちゃん」
「…宮舘君」
「一緒に、帰らない？」
忘れたい、でも忘れたくない。
考えたくない、でも考えてしまう。
わざわざ放課後私を待っていてくれた宮舘君にも良い顔を見せられなかったのは、きっとそんな事ばかりがぐるぐると私の中を渦巻いているからで。
「ふっかとなんかあった？」
宮舘君とこの道を歩くのは初めてだなと思いながら歩いていれば、少し遠慮がちな声がふいに聞こえる。
「どうして？」
「最近、あんまり話してるとこ見てないなって思って」
はじめのうちは、私だって。
そのうちもとの関係に戻れるだろうって、思ってた。
「それに、…元気ないから、Aちゃん」
「…なにも、ないよ」
だけど、一切絡んでこなくなった深澤に感じた胸の違和感は、どうしたってネガティブな感情である事は確かで。
「…そっか」
宮舘君は何か言いたげに歩みを緩めて、立ち止まる。
「それとも、俺のせい？」
「…え？」
振り返って顔を見れば、切なげに揺らされた瞳と目が合った。
「なんてね。…俺とも、最近あんまり話してくれないからさ」
眉を下げて、困ったように笑う。
宮舘君と、どんな風にどんな顔して話せば良いのか、分からなかった。
アユミちゃんの事も、深澤の事も、色んな事がありすぎて。
どう接して良いのかなんて、私には難しすぎる問題で。
気付けば夏が終わるというのに、正解を出せずにモヤモヤしたまま、過ごしてしまっていた。
「…ごめん、」
「ううん、謝って欲しかったわけじゃないんだけど、…何かあったなら、知りたいな」
慎重に、言葉を選んで伝えてくれる宮舘君はやっぱり優しい。
そういう優しさが、私はやっぱり好きだと思う。
「…宮舘君が言ってくれた事、信じたいって思ったよ」
「俺が言ったこと？」
「…うん。向き合いたいと思ったから、そうしてくれてるんだって」
あぁ、と少しはにかんで目線を逸らす。
向き合って話すのが怖くなって、私はゆっくり歩き出した。
「…だけど、もし本当に、…気にしてくれてるだけとかだったら、私は大丈夫だから。ごめんね、迷惑かけて」
「迷惑って、」
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バンビ(プロフ) - 葉月さん» 葉月様、コメントありがとうございます。これからも楽しんで頂けるように頑張ります。これからもよろしくお願いします。 (2022年4月22日 16時) (
レス) id: 0059ecb2b1 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 本当に話一つ一つ大好きです。これからも応援しています！無理になさらないように自分のペースで頑張ってください♡ (2022年4月22日 15時) (レス) @page49 id: e15b346611 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ
| 作成日時：2021年12月4日 22時
