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「で、俺に相談しに来たと」
「…相談っていうか、まぁ、うん、」
明日から夏休み、という日の放課後は、生徒達が早い帰宅時間にはしゃいでいる。
そんな彼らを横目に下駄箱で待ったのは、深澤だった。
初めてこんな事した気がする。
あの深澤が予定を埋めないはずがないと気付いた時には後悔したけれど、ポテトを奢ると言えばこうして付き合ってくれるからやっぱり深澤は深澤だなと思った。
「失恋したんじゃねーの」
「失恋、はしたけど。でも別に、好きでいるのは辞めたわけじゃないし」
「…ふーん」
なんだかんだ私に甘い深澤が断らずにいてくれるのは嬉しいけど、あまり乗り気ではなくつまんなそうにポテトを摘むから少しムッとする。
「…乗り気じゃないなら、別にいいけど」
「いや、そーいうわけじゃねぇけど」
はぁ、とため息をつくと私を見た。
…しょうがねぇって顔してる。
「…んで？何をそんな浮かない顔してんの。好きなら喜ぶことでしょーよ」
「そう、なんだけど」
そうだ。嬉しいは、嬉しい。
だってさっきは、誘われた事に喜んで浮かれていた。
だけど。そうなんだけれど。
…やっぱりどうしても、アユミちゃんの存在がチラついてしまうわけで。
もしかしたら宮舘君は、私が告白した事を気にしてくれているのかもしれないと思うと、申し訳なくなってしまって。
だってほら、彼優しいから。
「別に優しさとかじゃねーと思うけど」
私の考える事はいつだって深澤にはお見通しで、声に出そうとする言葉を見失ってしまう。
だけど、その言い方は決して慰めなどではない。
「あれこれ考えないで行ってくりゃいいのよ。せっかく誘ってくれたんでしょ」
「…うん、だね」
そういう言葉が聞きたかったはずなのに、少しも解決してない気がするのはどうしてだろう。
深澤が本心で宮舘君と私を応援してくれていたのだとしても、ただ関心がないからポテトを摘む手がだるそうに見えるのだとしても。
どちらも嫌だと思うのは、どうして。
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バンビ(プロフ) - 葉月さん» 葉月様、コメントありがとうございます。これからも楽しんで頂けるように頑張ります。これからもよろしくお願いします。 (2022年4月22日 16時) (
レス) id: 0059ecb2b1 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 本当に話一つ一つ大好きです。これからも応援しています！無理になさらないように自分のペースで頑張ってください♡ (2022年4月22日 15時) (レス) @page49 id: e15b346611 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ
| 作成日時：2021年12月4日 22時
