気になる。ただそれだけ ページ7
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(伊沢side)
「正直、男の人と2人きりで居られるのも隣の山本くらいで、今でも部屋に男性と2人きりになるのもダメなんです」
そう話してくれる花岡さんの手が、震えているのには会ってすぐ、気付いていた。それでも、うちとしては更にQuizKnockを大きなものにしていくために、是非彼女にもうちに入って欲しいと思った次第だった。
「花岡さんが、普段通り仕事が出来るような環境にも整えていくつもりだし、うちとしては是非女性にも活躍してもらえる場をどんどん、作っていくつもりだから、どうだろうこの前入ったばかりの、山森っていう女性が居るんだけど彼女に会って是非話を聞いてみてはどうかな?」
丁度山森さんも入ったばかりだし、山森さん自身も女性が入ること歓迎してくれるだろう。
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花岡さんと山本との話を終えた俺は、オフィスに戻って早速山森さんを呼び出した。
「話ってなんですか?伊沢さん」
普段は仕事上の話しかしないものだから、改めて話をするのは若干緊張をしているよう。いい加減慣れ親しんで欲しいものだが…
「山森さんに会って欲しい女性が居るんだ」
「えっ!女の人?!」
女性、と聞いて心做しか目を輝かせる彼女。是非!と言わなくても表情で会いたがってるようで安心した。
「男性ばかりの職場だし、山森さんにとっても少しでも同性がいた方が働きやすいでしょ?」
「それは!もちろん!!」
ぶんぶん、と音がなりそうなほど首を縦に降る山森さんに思わず苦笑い。早速山森さんの予定を聞いて、スケジュールを立てる。確か、来週末空いてるって言ってたなぁ
「なんだか、楽しそうだね。山森」
「あっ、福良さん!聞いてくださいよ〜」
福良さんが昼飯の買い出しから帰ってきたところだった。相変わらず、手に持ったビニール袋の中身はポテチとかしか入ってなさそうだけど…最初箸でポテチ食う福良さん見た時はビビったよ、マジで。
「今度、QuizKnockに女の子が来てくれるかもなんです!」
「へぇ、山森に続いてまた入ってくるんだ」
「どんな子なんですか?」
山森さんと福良さんが、興味津々で彼女について尋ねてきた。俺も彼女の事そんなに知らないけど…強いて言うなら…
「可愛らしい子だったよ」
彼女の過去を聞いてもいるけど、純粋に第一印象も話を聞いたあとも彼女は可愛らしい女の子だと、素直に思った。
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作者名:りんご | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月29日 19時