真実の欠片 ページ11
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2ヶ月の時間を貰って考え抜いた私はQuizKnockで活動していくことを決めた。お母さんに報告だけでもしておこっかな。
スマホを取り出して、実家の母親へ電話をかけた。
「あ、もしもし？お母さん」
『あら、えっとぶりね。A、どうしたの？』
えっとぶり。徳島の方言での、久しぶり。上京して早3年余。すっかり標準語で慣れ親しんでしまった私は、久しぶり…もとい、えっとぶりに地元の方言を聞いてどこかほっとしていた。
「お母さんには報告しとこう思うたんやけんど、私QuizKnockってところでちっと、お仕事することになったの」
『クイズ…なんやって？』
「クイズノック！」
『なんなの？そのQuizKnockって？』
YouTubeも見なければ、スマホではない母親にしてみればウェブメディアなどあまり聞き慣れない単語であろう。なんて説明すれば良いのか悩んでパソコンでQuizKnockのページを開いてみた。
「なんかね身の回りのモノごとをクイズを通して理解しよう！みたいなWebメディアやYouTubeをやっとるところ。ほら、大学の後輩の山本祥彰の話は前にもしたよね？その子から誘われて」
『へぇ〜、大丈夫なの？それ』
「お母さん世代はYouTubeとか疎いもんね、大丈夫だよ。お母さんも好きな伊沢さんが立ち上げたところやけん」
『あら！あんた、伊沢さんに会うたの？』
「うん。これからもお世話になるつもりじょ」
テレビのあの爽やかスマイルに心奪われている母親。オフィスだと少し子供っぽさも出てるような…
『そうかねー、まあ迷惑かけんように頑張りなさいよ。クイズってことは、男の人多いんやないの？いける？』
「大丈夫。伊沢さんが立ち上げたものやし、大学で過ごしたけんど、大分私も男の人に対して普通に話したり出来るようになってきたし」
『祥彰くんだっけ？のおかげやな』
「ほんにね〜彼がおらなんだら、うちここまでは回復しとらんかも」
『……無理はしんようにね』
「いけるよ、女の子もちゃんといるけん」
じゃあまた連絡するね。と電話を切った。あ、お母さんにYouTubeの動画紹介したら良かったなぁ。LINEでYouTube見てみたらどんな事しとるか分かると思うよ、と送ると既に視聴中。邪魔せんで！と返事が来た。は、はや…
遠い地、徳島の実家で母親が動画を見て青ざめていることも知らないで。
「……この声に…この、ふくらPって子……もしかして…」
(徳島の方言は調べましたが正しいかどうか分かりません。使い方や意味が違ってましたらすみません…)
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作者名：りんご | 作者ホームページ：
作成日時：2020年7月29日 19時
