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第二話 ページ5

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・・・何となく、手を広げた。


・・・・・・思い、出せない。



ここは何処なのだろう。


・・・・・・・・・私の事も、思い出せない。




『私、・・・私は___』






『誰?』




確かめるように私の口から出た言葉は、寝起きでぼやぼやとしていた私の頭を冷静にさせた。




それにより思考が加速していく。






私は何故道路の真ん中で寝ていたのだろうか。



ここは一体何処なのだろうか。



何故自分のことを覚えていないのだろうか。



・・・何かが、可笑しい。

自分についてのことだけが、頭の中からすっぽりと抜け落ちてしまっている。



・・・取り敢えず、自分のことが分かるような手がかりを探そう。



そう意気込み、辺りをもう一度見回してみる。




冷静になった頭は先程見つけられなかったものを見つけることが出来た。




『スクールバック・・・・・・?』




私は学生だったようだ。

地面に投げ出されるように置かれていたバックをゴソゴソと漁る。



ノートにペンポーチ、教科書・・・



『学生証・・・』



バックの内ポケットに入っていたのは黄色の学生証だった。

珍しい色だなぁと思いながらそれを開いて見ると、そこには私の情報が載っていた。




蓬 莱 高 等 学 校

NO.2329


氏名:夜月(ヤズキ) 天音


学年:2年C組



住所:天原(アマハラ)蓬莱町(ホウライチョウ)○-○○-○○





『夜月、天音・・・』





・・・まだ情報が少ないな。


・・・・・・私の家に行けば、何か分かるかもしれない。



でも、ここが何処かも分からないな。



近くにいる人に聞いてみよう。



そう思って立ち上がり、バックを持って歩き始める。


歩いて20秒も掛からないうちに、地面に何かが落ちているのを見つけた。



『・・・スマホ・・・?』



それは画面が割れ、バキバキになったスマホだった。

どんな強い衝撃が加わればこんな姿になるのだろうか。


然し、不思議な事にスマホケースは着いていた。


こんなスマホ画面がバキバキになるくらいの衝撃が加わったと言うのに、スマホケースは着いている。

まあ、着いているのなら確認しない手はないだろう。



他人のものであれば申し訳ないなと思いつつも手帳型のスマホケースを開ける。



そこにはクレジットカードやら何やらが入っていた。




その何枚かある内のカードの一つ。




それには私の名前が刻まれていた。



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作者名:秒で消えたママ | 作成日時:2021年2月5日 20時

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