第七話 ページ11
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生徒手帳をぱらぱらと捲ってみると、私の家から学校迄の道のりが書かれていた。
なにか目印になりそうな物は___
少し探してみると、簡単にそれは見つかった。
『近くに神社がふたつ・・・』
私の家の近くにはふたつの神社があった。
まずはそこに向かって、そこから学校に行こう。
学校だったら、きっと記憶も戻る。
私は学生なんだ、学校であれば思い出も沢山あるだろう。
『ふぅ・・・』
私は大きく深呼吸をすると、ふたつの神社を探して歩を進めた。
コツ、コツ、コツ。
履いていたローファーが音を立てる。
周りに音がないこの世界で、ただひとつ響くその音は何だか不気味だった。
まだ、時間はある。
記憶を、取り戻そう。
そう思い歩くのを早めた。
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『はぁ・・・』
歩き始めてから体感一時間、私は疲れから俯きながら歩いていた。
辛い、そろそろ休もうか。
どこかにベンチでもないかと思い顔を上げた。
すると、視界が一気に良くなり、今まで見えていなかった部分が見えるようになった。
『何あれ・・・』
目を疑うようなその光景に思わず足を止めて見てしまった。
私の目の前に拡がっている住宅街の先は、全て濃い霧で覆われていた。
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作者名:秒で消えたママ | 作成日時:2021年2月5日 20時