・ ページ5
”ジニョクが心配です。本当に俺以上に上手くいってなくて、疲れてしまってるので”
そうヒョンスくんから話を聞いて、車椅子でXポジションの部屋に向かっていると、外のベンチでハンギチャンくんの周りに集まるXポジションの子たちを見つけた。
attentionはダンスとボーカルだったかな。
編曲と振り付けはアイドルにとって出来ないよりも出来た方がいいことだから、未経験でも挑戦するべき。あまり手助けしてしまうと良くない気がする。
近づくにつれて大きくなる、私の車椅子の音。そのせいで皆が私に気づいて、立ち上がってお辞儀をしてくれた。顔を見る限り、けっこう険悪な、真面目な雰囲気で話し合っていたかもしれない、悪いことしちゃったな。
「attentionの皆さんですね、お久しぶりです」
「…怪我してるのに、来てくれたんだ、A先生…」
「こらジョンモ、敬語！」
やっぱり、みんなの顔は晴れない。
口が開きっぱなしのクジョンモくんを怒るムンヒョンビンくん。ここにはトニーくんもマヒロくんもいるし、グローバルだけれど歌もダンスも上手い子が多いから苦労は別の場面なのかな。
「ふふ、大丈夫ですよ。差し入れ持って来ました。話し合いが終わったらでもいいし、食べながらお話するのもいいと思いますよ」
「…あったかいのと、冷たい？2つもですか！？」
「蒟蒻ゼリーと、コグママッタン…んーと、日本語だと大学いもって言うんです。ね、マヒロくん」
「…っはい！」
「うわあ、ありがとうございます！」
私が疲れたときによく買うところの甘い大学いも、あと食欲がなくてもするする飲める蒟蒻ゼリーのチューブ。これはダンスの子たちにもあげた。
「きっと食べたら、頭がスッキリして素敵な解決策が見つかるかなって思って」
「…先生、お見通しだったんですか？」
「ううん、勘です。ふふ」
話し合いを邪魔する訳には行かないし、また食べ終わった頃に見に行くねと、約束して手を振る。
突然バタン！と大きな音を立てて扉が閉まる。イライラ来た様子のジニョクさんがベンチに荒々しく座った。恐る恐る、ころころ車椅子を転がして近づくと、ジニョクさんはキョロキョロ辺りを見渡して私に気づいた。
彼の、元々大きな目がもっと大きく開かれる。目のクマも隠せていない、頬も痩けてしまっている。最後に会った時は、あんなに楽しそうにしていたのに、そこまで何が彼を悩ませているんだろう。
「Aちゃん…」
「こんにちは、ジニョクさん」
→
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1674人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊ゆいな＊(プロフ) - 更新待ってました（ ; ; ）最高です！今まで読んできたお話の中で一番大好きで何度も何度も読み返しました！！更新もちゅんちゃんさんのペースで無理しないで下さいね(*^^*)いつも応援してます！大好きです！ (2021年6月12日 11時) (
レス) id: 805ae0b089 (このIDを非表示/違反報告)
フィガロ - 更新はもうしれないのでしょうか（ ; ; ）？ 突然更新が途切れてしまったので心配です…お知らせなどでもいいので何か報告待ってます(^^) お話の内容とっても好きです！更新も楽しみにしていますm(_ _)m (2021年5月19日 0時) (レス) id: 2c85f96aa8 (このIDを非表示/違反報告)
＊ゆいな＊(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます！！！！ハニオッパきゅんきゅんしました！！ (2021年3月30日 20時) (レス) id: 805ae0b089 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年3月5日 0時) (レス) id: 68c62b5d72 (このIDを非表示/違反報告)
さか(プロフ) - ふわふわした話だけじゃなくて、少し辛いお話が混ざってるのがとても好きです。でも、あまり過度ではなく直接的な痛い表現などは避けて書かれているのかなと伺えるので読んでいても辛い気持ちにはなりません。程よく読みやすくとても好きなお話です。 (2021年2月13日 6時) (レス) id: 4188621a8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2020年11月27日 8時
