cosmic is きらきら (ページ8)

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コンカツ(Lt.GRE) ページ8

どんより月曜日。
あの失態から2回目の月曜日を迎えた。
薮くんからの連絡はない。
ごめんねって送って既読はついた。
でもスタンプも絵文字も何も返ってこない。
私が悪いんだし、返ってこなくて当然なのかな。
そうだよね、酒で失敗する女なんて面倒くさいに決まってる。
プラス生き急いでると思われてるんだし。

「わーい！おいしそー！」

「なぜ？」

「ん？Aちゃんも食べなよ」

君はなぜいる、伊野尾くん。
美味しそうにもぐもぐやってるけど。
いつの間にやら4人のグループラインが作られてて…そこから伊野尾くんが個別に連絡をしてきたのはすぐのこと。

"薮のこと好きなんでしょ？"

あれよあれよと薮くんを餌にランチに行くことになった私。

「連絡してみなよー、多分薮なら気にしてないよ。薮ってどうでもいい女とはご飯行かない派だし、時間がもったいないって思うタイプ」

「へ、へぇー」

「ほら、送ってみ？」

催促されてトーク画面を開く。
やっぱり既読がついたまま、彼からの返事はない。

「これで既読ついたら返事はこなくても薮の生存確認はできるじゃん？」

たしかに。

意を決して、へんてこなスタンプを送ってみた。
…ふざけてると思われるかな。

でも伊野尾くんと一緒にいるとあれだけ迷っていた送信もできちゃう不思議。
1人よりも誰かいた方が勇気がもてるのかもしれない。
あ、なんか梨花が私を婚活パーティーに誘った理由が今分かった。

「ぱっと見イケメンだけど俺からしたら薮は残念イケメンだよ」

「どこも残念なんかじゃないし」

「仲良くなれば分かるって」

ピンコン…

え、返ってきた。

それは私が送ったものよりはるかにへんてこな意味の分からないスタンプ。
一体どこから見つけてきたんだろうってくらいゆる系。

「この前さ、ただ単に眠かったんだよ。薮ってそーゆーやつ」

「…伊野尾くん、大変心強いです」

ピースサインでくしゃっと笑った。

お会計して店の前でバイバイ。
伊野尾くんの会社はここから1駅先らしい。
わざわざこっちに来てもらっちゃって申し訳ない。

「自信もって。俺もたくさん飲ませちゃってごめんね。これでチャラにしてよ。ばいばーい」

「ありがと！」

うん、いい人だ伊野尾くん。

薮くんの返事、どんなスタンプ返そうかって思案してると
"伊野尾と仲良しなのねー"

振り返る。
苦笑いしてる伊野尾くんとひらひら手を振る薮くん。

なぜ…なぜ見つかった。
チャラにはできそうにないよ。