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ジャスライク プリンス(PNK) ページ20

大阪旅行を機に私達4人は前みたいにつるまなくなった。
涼介、知念くん、夕紀。
私はサークルの友達と。

でも冷戦状態なわけでもなくて会えば笑顔で話すし課題の相談なんかもする。



「A、久しぶりにご飯でも行こうよ!涼介のバイト先!新作がおいしいの!」

「ああ…ごめん、今日バイトなんだ…」

「そっか、残念!また誘うね!」


こんな不毛で社交辞令的な挨拶が繰り返されるようになった。







私は商業施設の一角、クレープ屋さんに勤務している。

いちごをカットしていると、
「Aー」

「いらっしゃいませ!!!」

「ぼーっとしてちゃだめでしょ。しっかり仕事してよ」

「ごめんごめん…」

「僕ねぇ、んー…どうしようかな。えっとー、いちごカスタードにする」


やってきたのは知念くん。
たくさんのメニューの中から決めたにしてはいつもより早く決まったいちごカスタード。
こう見えて(?)彼は結構優柔不断だから。



「あ、Aにツケといてね。…いまひとり?」

「うん、さっきまで店長いたんだけど」

「そっか」


そこから会話はないまま、知念くんにじっと作業する手元を見つめられて若干の緊張。
それにしても可愛い組み合わせだな。
知念くんにクレープなんて可愛いしか出てこない。

「はい、お待たせしました!いちごカスタードです!」

「ありがと。…てゆかほんとにバイトだったんだ。嘘かと思った」

「へ?」

「仕事さっさと終わらせてよね」









知念くんのその言葉に私はずっとそわそわ。
営業時間が終わると慌てて閉店作業。
やり残しがあったらごめんなさい…
姿見を確認してメイクを少し直して。

従業員出入口から少し離れた公園に、ぼんやりとブルーライトが浮かび上がってる。


「おまたせ」

「おつかれ」

パタンと手帳型のケースを閉じるとすぐに歩き出すからあとを追った。
今日どうしたんだろ。



「涼介にクレープの写真送ったんだ」

「そう」

「食いてー!って返ってきた」

「そう」

「涼介と夕紀ちゃん、別れてるよ」

「そう…へ?!」

「やっぱり聞いてなかった?」


そんな雰囲気少しも感じなかった。
今日だって、昨日だって夕紀は普通だったの。
いつ別れた?
だって付き合ったのは先月だよ?


ぐるぐるしてるといつの間にかついたメトロの入り口。


「どうする?涼介のとこ、行く?」

「え、でも、いや、なんで?」

まだ纏まらない頭をフル回転。
片方だけ釣り上がった知念くんの口元。
感情が見えない。

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設定タグ:平成跳 , HSJ , Short   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:もぶ | 作成日時:2017年1月24日 15時

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