【銀魂】今日もお江戸は平和です 2

第五十七訓 ページ10

.


えいりあんを無事引き渡して数日後、特にこれといった事件もなく平和ボケしそうになる青い空。

これはこれで良い団子日和の日になりそうだと思ったのに、現実はそうもいかないらしい。



「えいりあーんお前は完全に包囲されている。大人しく投降しなさい」

「故郷のお母様も泣いてるぞー。こんなえいりあんにするために育てたんじゃないって言ってるぞー」



また出たのだ、えいりあんが。

しかもこの間のえいりあんで、逃げ出してきたらしい。それがこの前よりも何十倍にもなる大きさでターミナルにくっついている。



「ねェお母さん、なんか言ってやってください！」

「お父さん最後になんて言って死んだいったかアンタにわかる！？お父さんねっ最後までアンタのこと…ごぶォ！！」



前回のようにえいりあんに扮した近藤さんが話し終える前に、今度は本物のえいりあんが吹っ飛ばす。


仕様がない。ターミナルは国の重要建築物に指定されているので許可なく発砲すれば私たちのクビが飛んでしまう。ならもう、回れ右で逃げるしかないだろう。



「何してんのォォォォ！アンタらァァァ！！」

「オーイ、早く逃げねーと死ぬぞてめーら」

「何一般市民さしおいてパトカーで逃げてんの！！何この人たちィ！？」



近くにいたアナウンサーがそう叫んでくるも警察だって無敵じゃない。ターミナルはエネルギーのポンプみたいなも。それを食べているのだから、小さかったえいりあんが大きくなったのも頷ける。

そんな時、私達が走っている方に定春くんと旦那が向かってきて、



「旦那ァ！？」

「お前何…！？」

「映画えいりあんvsやくざ絶賛上映中。見にきてネ」



そう言うと定春くんに跨ってターミナルの方に向かって行く。ので、私もそれに跨った。



「Aさん！！」

「馬鹿野郎！ 死ぬつもりか！？」

「何してんだA！！」



後ろからみんなの声が聞こえるけど大丈夫。
死ぬつもりなんて端からない。



「何しに来た」

「一瞬、神楽ちゃんが見えました」



だから旦那も来たんでしょ？と言うと「後で怒られても知らねーぞ」と。



「その時は旦那に強要されたって言うんで」

「明らかに自分から来たじゃねーか…まあいいけどよ。定春、散歩の時間だ。今日はどこでクソたれよーがじゃれようが自由だ。めいいっぱい暴れな」



「いくぜェェェ！！」と叫んでえいりあんにつっこんで行く私たちだったが一瞬でえいりあんに食べられてしまった。本当に一瞬で。



.

第五十八訓→←第五十六訓

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す