【銀魂】今日もお江戸は平和です 2

第五十五訓 星海坊主篇 ページ8

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「星海坊主？ なんでィそりゃ」

「んなことも知らねーのかよ沖田さん。常識よ常識」

「ちょ、俺にも見せてくれィ」

「ちょっ、押さないでくださいよ！」

「くさっ！誰か臭いぞ、ワキ洗え！」


「何やってんの」



今日は屯所に来客が来たらしく、近藤さんが応接間で相手をしていた。そんな中、コイツらは堂々と覗きをしてやがる。

客なんて滅多に来ないのではしゃぐのも分かるが、そんなガタガタしてたら中にいる二人にバレてしまう。



「Aさん！いつからいたんスか！」

「今。で、星海坊主って誰？」

「総長も知らないのかよ！」

「早い話、えいりあんばすたーという奴ですよ。第一級危険生物を追い駆除する宇宙の掃除人なんです」



数多くの化け物を狩ってきた男で最強とうたわれる掃除人。それでついたあだ名が星海坊主。まさに生ける伝説だ、と熱弁してくれた。

ココに来たのはえいりあんが江戸に逃げ込んできたかららしい。だから近藤さんも真面目な顔してるのか。



「伝説だか何だか知らないけどさぁ、人と話す時はマスク外すのが一般常識でしょ。ありゃロクな生活してきてないな」

「Aさんは顔見たいだけでしょ」

「声大きいですって、聞こえますよ！」

「あ、帰ってった」



一通り話し終えたのか帰ろうとする星海坊主を近藤さんが追いかけてお見送りしに行ってしまった。その為自然とこの覗きも終わってしまい、各自仕事に戻って行く。


私はというと総悟とみかんを食べながらテレビを見てる。仕事は後でやるとして、面白い番組がこの時間帯にやっていないのが辛い。



「最近ハマってる事ある？」

「園芸」

「何育ててんの？」

「マングローブ」

「へェ、行く行くはシャボンディ諸島になるのか」

「まァ、いずれは」



中身など全くない会話。嘘だと分かっていながらもツッコむのが面倒なので適当に会話を続けていると、屯所内の無線から声が響いてきた。


声の主は近藤さんで、寄生型えいりあんが江戸にいるので捕まえろ、と。


何にでも寄生するえいりあんだそうで寄生された者は目の周囲にクマのようなアザができる、要はパンダを探せ。と言って無線を切ってしまった。



《こちら現在、犯人が立てこもっている大江戸信用金庫前です。大変騒然としています。あっ今犯人の顔が！ひどいクマです。寝不足でしょうか！？》


「「…パンダだ」」



つけっぱなしにしていたつまらないニュースも、たまには良い仕事をしてくれるらしい。



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