第八十訓 ページ33
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「てめーらしつこいんだよォ!!んなマネしたらまた勘違いされてストーカーに拍車がかかること山の如しだろーが!!」
やっぱりダメか。
その後も頼み込んでみたがやっぱり駄目で、終いには山崎を掴み上げて隊士達と取っ組み合いを、いや、一方的にみんなが妙ちゃんにやられてるだけだが。あそこまで嫌がられちゃもう無理だろう。
うわ、こっちに飛んできた。
「なっ…なんだてめェェェェ!!」
叫んだ隊士の方を見る限り、こちらに飛ばしてきたのは妙ちゃんではない様子。みんなの見てる方向からしてあの編笠を被った人だと思うが、いつの間に入ってきたのだろう。
「貴様ら、こんな多勢で女に手を出すたァそれでも侍かね?」
「何言ってんの!!どう見ても俺達が姐さんにボコられてただろーが!!それでも僕らは侍です!!」
背の低い編笠にツッコむ山崎と、その人に突っかかる隊士達。喧嘩っ早い喧嘩彼等を宥め、名残惜しいが店から出よう。お酒を飲んでいたい気持ちもあったけれど、どうせ土方さんに怒られる。
「初対面相手にチビ助って言うな。帰るよ」
「これ以上店騒がすな。それからガキんちょ、お前も来い。お前未成年だろ。こんな店に来ていいと思ってんのか」
そんな土方さんの発言が気に触ったのか「オイ貴様、今何て言った」と、声を低くする編笠の人。
「僕は、」と言ったかと思うと、編笠を投げ、刀を抜き、目にも止まらない速さでこちらに突っ込んできた。
周りにいた隊士が倒れていく中、土方さんが刀を抜き、すんでのところでそれを受け止める。
「ガキんちょなんかじゃない。
____柳生 九兵衛だ」
「きゅ…九ちゃん!?」
知り合い、なのだろうか。
妙ちゃんの驚く声と、刃と刃のぶつかり合う音が店内に響く。倒れた隊士達に近づくと、見事に全員のびていて、揃いも揃って情けない。
「あらら流石は柳生さん、お強いんですね。でもそろそろ刀を収めて頂いてもよろしいですか?堅気の皆さんが恐がっちゃってるんで」
私が宥めるように笑って言えば、「…フン、能天気な女だ」と言い残し、大人しく刀を収めて店から出て行った。
…能天気?私が?言われた言葉に頭にハテナを浮かべる。…能天気と言われるのは嬉しくない。能天気なんて、そんなのバカみたいじゃないか。
「私って能天気ですか?」
「…呑気な奴だとは思ってる」
「それ能天気と同じ意味ですよね。能天気って思ってるじゃないですか」
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柊ひな(プロフ) - 桜さん» 面白い……!?そう言って頂けるとお世辞だとしてもとても嬉しいです!更新頻度がバラバラで申し訳ない限りなのですが、私の出来る範囲で頑張っていこうと思います!コメントありがとうございます! (2019年5月4日 0時) (レス) id: de18b107bf (このIDを非表示/違反報告)
桜 - コメント失礼します。初めて読まさせていただきましたが、すごく面白いです!更新頑張ってください! (2019年5月2日 18時) (レス) id: 7ff3846d52 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 折角お誘い下さったのに本当にごめんなさい!!!!!そんな私がこんな事を言うのはおこがましいと分かってはいるのですが、また別の機会に誘って下さると嬉しいです。長ったらしくてすいません。 (2019年4月27日 21時) (レス) id: 105b197957 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 軽く調べて見たのですが、まぃさん!素晴らしく可愛いですね!(見た目の清楚さが特に)だからこそド素人の私が書いてしまうとキャラ崩壊が半端じゃなく事故作品にしてしまう気がして、ミリアさんに迷惑をかけると思うんです… (2019年4月27日 21時) (レス) id: 105b197957 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - お誘い下さりありがとうございます!銀魂恋愛合作!!是非ともご一緒にやらせて頂きたいのですが、私自身たくっちさんの動画を拝見した事がなく、名前なら知っているのですがご期待に添えるようにはできないと思います。 (2019年4月27日 21時) (レス) id: 105b197957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年4月17日 22時