第九訓 ページ10
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「Aさーん、さっさと起きてくだせェ。ブサイクな面が露わになってますぜ」
「…今何時」
「14時」
寝起き早々とんでもない失礼発言をかます総悟。自室で書類仕事をしている途中に目寝てしまったらしい。紙がぐちゃぐちゃだ。
わざわざ人の部屋に入ってきて何のようだと用件を聞けば、「はい」と渡された紙。二つ折りにされた紙を開けば、何処かの住所が書かれてあった。
「何これ」
「近藤さんと土方さん負かした侍の住所でさァ」
「よく分かったね」
「山崎に頼みやした」
さすが我らが監察係。大方、総悟に脅されて必死に特定したのだろう。後であんぱんをあげなければ。
「…これ、私に行けってこと?」
「戦いたがってたじゃねェですか、俺の親切心受け取ってくだせェ」
「嬉しい、ありがとう。けど総悟も戦いたがってたよね?」
「冷めたんで」
「あっそう」
彼が人に優しくするなんて怖すぎる。あとで何か請求されたりしないよね?と、後ろ髪を引かれつつ、立ち上がる。何だかんだ行って楽しみなのだ。
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「…あはは、どうしよコレ」
紙にかぶき町と書かれていたので取り敢えずかぶき町までは来たものの………何処だココ。
最悪だ、まさかこんな所で自分の方向音痴っぷりをみせつけられるとは思わなかった。
絶対こんな所にいない。何でこんなにホテルばっか並んでるの。何でホテルの前にラブがつきそうな所に来てるの自分。
帰りたくて仕方なくなってきたが、生憎帰り道も分からない。仕様がない為、少し恥ずかしいが「すいません」と歩いていた人に声を掛ける。
「あの、ココに行きたいんですけど此処からどうやって行けばいいですかね?」
「お嬢サン別嬪さんだね〜。何?イきたいの?それならあそこの店でしっぽりいっとく?」
「そっちのいくじゃないです。GOの方の行くです」
「オッケーオッケー。んじゃァそっちの店にしとこう」
「オイ人の話聞け。次それ言ったら殴るぞ」
…とまァ、なんやかんやあったが、学習しない彼は数度殴ると涙目になりながらもそれはそれは丁寧に道を教えてくれた。
そこそこ時間が掛かってしまったのは、始めに聞いた相手が間違っていたのだろう。
目の前には"万事屋銀ちゃん"とデカデカと書かれた看板がある。外階段を登り、玄関扉の前に立つ。思っていたより普通の場所だ。
深呼吸をし、覚悟を決め、私は震える手でインターホンを…ごめん盛った。普通にインターホンを押した。
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柊ひな(プロフ) - サヤ&アキさん» 紅桜篇は書いてません!書く予定もないです。紅桜篇で真選組が登場するのは劇場版で、中嶌単体で出す案も考えたのですが無理矢理感が出ると思いやめました。吉原炎上篇も同じ理由で書く予定はなかったのですが書かないと新キャラ二人の出る機会がないと思い書きました。 (2021年3月3日 11時) (レス) id: 7c8f4bb7ef (このIDを非表示/違反報告)
サヤ&アキ - 紅桜編ってどこですか? (2021年3月3日 0時) (レス) id: a63af908e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» 私の紛らわしい言い方で気を遣わせてしまいすみません…不快だなんて全く思ってないです!わざわざ応援までありがとうございます(泣) 更新頑張ります! (2020年5月20日 17時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
黒華(プロフ) - この間のコメントに不快を感じさせてしまっていたらすみませんm(*_ _)m物語シリーズを作者様が知っていたことが嬉しくて『おぉ!!』って思ったんです。銀魂な感じが出ている作風でとても好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0ab52dedef (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» そりゃ丸パクリして使われてたらゾワッてしますよね…笑 (2020年5月20日 15時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年4月6日 23時