【銀魂】今日もお江戸は平和です

第四十七訓 ページ48

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「そっちのプリンと私の杏仁豆腐、半分こしない？」

「嫌でさァ」

「なんで」

「Aさんの思い通りにするっつーのが癪なんで」

「性格クソ過ぎじゃね」



今日の夕食にはデザートが付いているのだがAセットとBセットでデザートが違う。

Aセットに付いているプリンはもちろん美味しいから大好きだけれど杏仁豆腐も同じくらい大好きなのだ。


ならばどちらも食べよう。と決意したのに、まさか断られるとは思わなんだ。第一、理由がおかしい。



「一回の食事に二種類のデザートが食べれるのに？」

「次食う時杏仁豆腐にすりゃいいでしょ」

「私、は、今、その、杏仁豆腐、が、食べ、たい」

「ウザさ増すんで普通に喋ってもらえやすか」



因みに、コンビニで買えば良いとかいう意見はお門違いだ。これはそういう問題じゃない。

…諦め悪く食事に付いてくるデザートにここまで執着する私もおかしいが、今この瞬間に溢れ出る欲に逆らうのは、きっと健康に悪い。


総悟に頼んだのがそもそもの間違いであり、まぁ偶々近くにいたから頼んだのだが。

無駄に時間を使い打開策を考えていると、右から伸びてきた手。「やる」と言って杏仁豆腐をくれたのは土方さんで、流石デキる男は違うと思っていたのだが、



「…ゴミ寄越さないで」

「何がゴミだコラ」



真っ白い雪の大地のような杏仁豆腐の上に、残酷にも覆い被さる"黄色いソレ"。覆われたしまった世界に雪の大地の一欠片も、最早残っていなかった。

寧ろ、ゴミを生み出す錬金術を習得しているゴミ錬金術師のせいで食欲が失せた。賢者の石になってもらった方がまだ使い道がある。



「自分の好きな物が相手も好きだとは限らないんです。学習して下さい。それでも副長ですか」

「副長今関係ねーだろ」

「私が嫌がるの分かってて渡しましたよね。部下をいじめて楽しいのか？良心は痛まないのか？ん？」

「テメェが俺に斬られたがってんのは分かったよ！」



土方さんが怒ってくる理由は分からないが、そもそも向こうが杏仁豆腐にマヨネーズさえかけていなければこんな事態にはならなかった。


…杏仁豆腐にマヨネーズって、何。


気でも狂ってるとしか思えない組み合わせ。それさえ無ければ無事に美味しく頂けたのに。

仕様がない為、後ろにいる山崎に交換してくれるよう頼むことにする。彼は確かBセットだった筈。


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