第四十二訓 ページ43
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「近藤さ〜んしっかりしてくださせェ」
便器に顔を突っ込んだ近藤さんを救出し布団に寝かせたのは良いものの、近藤さんも倒れた隊士と同じように赤い着物の女とうなされたように呟いている。
新たな犠牲者が出てしまった。
「ほんっとうに無理なんですけど。嘘だと言ってよ、バーニィー」
「大丈夫ヨ!Aのことは私が守るネ!!」
頭を抱えていたら、ドンと胸を張って答えてくれた神楽ちゃん。さっきは宙吊りにしてごめん。
「神楽ちゃん…好きっ!」と抱きつけば、よしよしと頭を撫でてくれた。いつもと立場が逆転オセロニア。
「…これはアレだ。昔泣かした女の幻覚でも見たんだろ」
「近藤さんは女に泣かされても泣かしたことはねェ」
「じゃあアレだ。オメーが昔泣かした女が嫌がらせしにきてんだ」
「そんなタチの悪い女を相手にした覚えはねェ」
「……じゃあ何?」
旦那が聞いてくるがそんなのもう幽霊しかいないじゃないか。つーかそれしか考えられない。
幽霊だと思い始めてきた私達だが、旦那は「そんなもん信じねェ」と全く信じず帰ろうとしている。
立ち上がったのは良いがその両手は神楽ちゃんと新八くんの手をしっかりと握っていて。
二人が怖いだろうと思い手を繋いだと言い張っているが、もしかして旦那は…
「あっ、赤い着物の女!!」
と、総悟が叫んだ瞬間、光の速さで襖に突っ込んでいった旦那を全員見逃さなかった。
「何やってんスか銀さん」
「いや、あの、ムー大陸の入口が…」
誰が何と言っても恐がっている風にしか見えないが、すっとぼけてる。びっくりはしたがここまでは流石にならなかった。上には上がいるものだと痛感する。
「土方さんこいつは…アレ?土方さん何をやってるんですかィ?」
「いや、あの、マヨネーズ王国の入口が…」
そういや見当たらないと思って辺りを見渡せば、壺の中に頭から突っ込んでいた土方さん。
さっきのと全く同じやり取りをし、土方さんと旦那を除く四人でビビってないと言い張る二人から距離を取る。
「分かった分かった。ムー大陸でもマヨネーズ王国でもどこでもいけよクソが」
「なんだその蔑んだ目はァァ!!」
「「ん?」」
意図せず、神楽ちゃんと声が被ってしまった。
開いた口が塞がらなかったが何とか閉じ、四人揃って一斉に逃げる。まだ、死にたくない。
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柊ひな(プロフ) - サヤ&アキさん» 紅桜篇は書いてません!書く予定もないです。紅桜篇で真選組が登場するのは劇場版で、中嶌単体で出す案も考えたのですが無理矢理感が出ると思いやめました。吉原炎上篇も同じ理由で書く予定はなかったのですが書かないと新キャラ二人の出る機会がないと思い書きました。 (2021年3月3日 11時) (レス) id: 7c8f4bb7ef (このIDを非表示/違反報告)
サヤ&アキ - 紅桜編ってどこですか? (2021年3月3日 0時) (レス) id: a63af908e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» 私の紛らわしい言い方で気を遣わせてしまいすみません…不快だなんて全く思ってないです!わざわざ応援までありがとうございます(泣) 更新頑張ります! (2020年5月20日 17時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
黒華(プロフ) - この間のコメントに不快を感じさせてしまっていたらすみませんm(*_ _)m物語シリーズを作者様が知っていたことが嬉しくて『おぉ!!』って思ったんです。銀魂な感じが出ている作風でとても好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0ab52dedef (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» そりゃ丸パクリして使われてたらゾワッてしますよね…笑 (2020年5月20日 15時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年4月6日 23時