第二訓 ページ3
·
あれから数十分経過。
私達は桂率いる浪士達が入って行った池田屋にいる。
山崎が居場所を特定してくれたおかげだ。
「御用改めである。神妙にしろテロリストども」
扉を蹴破り、お決まりの台詞を土方さんが吐くと同時に刀を抜く。
響めく浪士達に隙を与えず「一人残らず討ちとれェェ！！」との掛け声を皮切りに全員が走り出す。逃げる浪士達を追い、斬っての繰り返し。
目的の桂の元まで順調に進んでいく中、後ろから大きな爆発音が聞こえた。振り返れば煙を出すバズーカを片手に持つ総悟がおり、目線の先には味方であるはずの土方さん。
いつものことだから予想はついていたが驚くことに変わりはない。やめろと言ってもやめないのだから、せめて合図をして欲しいところである。
「生きてやすか土方さん」
「バカヤロー、おっ死ぬとこだったぜ」
「チッ、しくじったか」
「しくじったって何だ！！ こっち見ろ、オイ！！」
「あ、土方さんのせいで敵さん隠れちゃいましたよ。どーしてくれるんですか」
「俺のせいじゃねーだろ！」
総悟が馬鹿をしていた隙にどうやら敵さんは奥の部屋に隠れたらしく、隊士数名とバズーカを向けて呼びかけているが、返事は一向にない。
「早くしないとドラマの再放送始まっちゃいますよ」
「やべェ録画すんの忘れた」
「さっさと済まそう、発射用意！！」
別にリアタイ派ではないが、総悟が録画をしていないと呟いていたし今日が最終回だというのに見逃すのは少々辛い。
土方さんの合図で撃とうとしたその時、扉を蹴破り中から慌てて出てきた浪士達。よく見ると先頭を突っ走る白髪頭が何かを抱えている。
「なっ…何やってんだ！！止めろォォ！！」
「止めるならこの爆弾止めてくれェ！！爆弾処理班とかさ…なんかいるだろオイ！！」
「おわァァァ！！爆弾持ってんぞコイツ！！」
「ちょっ、待て、オイぃぃぃ！！」
どうやら白髪頭が持っているアレは爆弾らしい。道理で慌てる筈だ。すると白髪頭と一緒に走っていた女の子が番傘で白髪頭を思いっきり吹っ飛ばした。
余りの怪力に驚く間も無く、悲鳴を上げ窓を突き破っていった白髪頭は持っていた爆弾を空に向かって投げつける。直後、バズーカとは比べものにならない音が辺りに響き渡った。
…その後、隊士は皆怪我をする事もなく桂には普通に逃げられた。残念な結果ではあるがいつものこと。始末書が少ないだけマシだろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 759人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊ひな(プロフ) - サヤ&アキさん» 紅桜篇は書いてません！書く予定もないです。紅桜篇で真選組が登場するのは劇場版で、中嶌単体で出す案も考えたのですが無理矢理感が出ると思いやめました。吉原炎上篇も同じ理由で書く予定はなかったのですが書かないと新キャラ二人の出る機会がないと思い書きました。 (2021年3月3日 11時) (
レス) id: 7c8f4bb7ef (このIDを非表示/違反報告)
サヤ&アキ - 紅桜編ってどこですか？ (2021年3月3日 0時) (レス) id: a63af908e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» 私の紛らわしい言い方で気を遣わせてしまいすみません…不快だなんて全く思ってないです！わざわざ応援までありがとうございます(泣) 更新頑張ります！ (2020年5月20日 17時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
黒華(プロフ) - この間のコメントに不快を感じさせてしまっていたらすみませんm(*_ _)m物語シリーズを作者様が知っていたことが嬉しくて『おぉ!!』って思ったんです。銀魂な感じが出ている作風でとても好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます！ (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0ab52dedef (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» そりゃ丸パクリして使われてたらゾワッてしますよね…笑 (2020年5月20日 15時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊ひな | 作成日時：2019年4月6日 23時
