【銀魂】今日もお江戸は平和です

第十六訓 ページ17

.



「こんの野郎…寝てる時まで人をおちょくった顔しやがって…おい起きろコラ。警備中に惰眠をむさぼるたァどーゆー了見だ。オメーもだよバカ、起きろバカ」

「なんだよ母ちゃん、今日は日曜だぜィ」

「毎朝起こしに来ないでって言ってるのに…」

「「おっちょこちょいなんだから〜」」

「今日は火曜だ！！」



「勘弁してください…昨日夜更かししちゃって眠いんです…」そんな私の怠そうな声は土方さんの耳には全く届かず、胸倉を掴まれる。



「こうしてる間にテロリストが乗り込んできたらどーすんだ？ 仕事なめんなよコラ」

「なめてるわけないでしょバカなんですか？やる時はやる人間なんで、私」

「俺がなめてんは土方さんだけでさァ」

「よーし勝負だ。剣を抜けェェェェ！！」



土方さんが耳元で大声を上げたので咄嗟に耳を手で塞ぐ。鼓膜が破れるかと思った。

するとその直後、頭にゴッと、痛みが走る。私だけでなく総悟と土方さんも。



「「「い"っ」」」



頭を抑えつつ顔を上げると、近藤さんが拳を握って私達を見ていた。いい年して近藤さんに殴られるとは恥ずかしいが、この中の年長者が土方さんなだけ良いだろう。

私達三人に大声でお説教してくる近藤さんに謝罪を述べようとすると、今度は近藤さんが叩かれた。護衛相手のカエルに。



「お前が一番うるさいわァァ！！ただでさえ気が立っているというのに！！」

「あ、スンマセン」

「…なんだィありゃ。幕府の高官だかなんだか知りやせんが、なんであんなガマ護らにゃイカンです？」



カエルが去っていたのを見計らいそう問う総悟に、近藤さんは「俺たちは幕府に拾われた身だぞ」と。



「恩に報い忠義を尽くすのは武士の本懐。真選組の剣は幕府を護るためにある」

「お〜、近藤さんカッコいいです」



「私真面目に仕事します」と言えば、「え？そう？」なんて照れてる近藤さんを横目に、最近個人的に流行しているメロンパンを一口。だがまだ横の総悟は納得いかない様子で。



「だって海賊とつるんでたかもしれん奴ですぜ。どうも乗れねーや。ねェ、土方さん」

「俺はいつもノリノリだよ、なァA？」

「もちろんです。あ、でももうちょっとカリカリしてた方が私は好きですね、フワフワ感は十分あるんで」

「…お前やっぱナメてんだろ」



.

第十七訓→←第十五訓 イボガエルの護衛篇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す