第十二訓 ページ13
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読めない人だ。
この人は先程から何を考えているのかよく分からない。仮にも私は警察で、そんな奴を普通ホイホイと家に上げるだろうか。
私がただお詫びに来ただけだと本当に思っているのだろうか。だからこうして家に上げたのか、戦ったとして絶対に勝てる自信があるのか、ただのバカなのか。
真意は定かではないが、手についたクリームを舐める姿は、まるで子供のようだ。
「…旦那って面白い人ですね」
「急になに…っ、」
ドゴォンと、今の雰囲気には似合わない音が響く。
旦那が鳴らしたのではない、私が鳴らしたのだ。
簡潔に言うと、テーブルを真っ二つに斬った。テーブルは勢いで、本当は旦那に当たる予定だったが…見事に避けられてしまったらしい。
「仇討ちは流行らねーって言ったくせに何の真似だこりゃァ」
「仇討ちじゃないですよ、ただの私闘です。旦那に興味が湧いたもので」
社長机、というのだろうか。そちら側に先程の攻撃をら避けた勢いで行ったせいで旦那に逃げ場はない。
"此処を通りたきゃ私を倒してから行け"状態である。
「オイオイ、こんなとこで刀振り回してる場合じゃねェだろ。目ん玉真っ赤になってるぜ。死神と契約でもしてんのかィ」
「目が真っ赤になってるってそんなベタなぁ〜。小説でそんな分かりにくいネタ、読者には伝わりませんよ」
「いやいやマジなんだって。一回眼科行ってきた方がいいって、良い所紹介すっから」
「カラコンです」
「言い訳苦しすぎだろ!!」
旦那が言った、目が赤くなるのは生理現象。生まれたときからずっとそうだ。一種の呪いという奴なのかもしれないが、いちいち説明するのは面倒臭い。
床を軽く一蹴りし、一気に距離を詰め斬りかかるが、今度は木刀で塞がれる。
そこそこな勢いと急な攻撃で旦那がしゃがみ込み、そこに私が上から力を加えている状態に。旦那の後ろは社長机、要は壁なため、旦那から行動に移さないとこの状態は打破できない筈。旦那が動いた時、そこが勝負だ。
「動かないと死んじゃいますよ〜」と、煽ればカチンときたのだろう。グワッと力を入れて立ち上がってきた。その隙にしゃがみ込み、腹辺りを斬ろうとしたが避けられた。ので追ってもう一度刀を振る。
ガキンと交わる、刀と木刀。
「防戦一方じゃいつまで経っても終わりません。分からないんですか?」
「疑い深かったり言ってること変わったり、女っつーのはめんどくせェな」
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柊ひな(プロフ) - サヤ&アキさん» 紅桜篇は書いてません!書く予定もないです。紅桜篇で真選組が登場するのは劇場版で、中嶌単体で出す案も考えたのですが無理矢理感が出ると思いやめました。吉原炎上篇も同じ理由で書く予定はなかったのですが書かないと新キャラ二人の出る機会がないと思い書きました。 (2021年3月3日 11時) (レス) id: 7c8f4bb7ef (このIDを非表示/違反報告)
サヤ&アキ - 紅桜編ってどこですか? (2021年3月3日 0時) (レス) id: a63af908e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» 私の紛らわしい言い方で気を遣わせてしまいすみません…不快だなんて全く思ってないです!わざわざ応援までありがとうございます(泣) 更新頑張ります! (2020年5月20日 17時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
黒華(プロフ) - この間のコメントに不快を感じさせてしまっていたらすみませんm(*_ _)m物語シリーズを作者様が知っていたことが嬉しくて『おぉ!!』って思ったんです。銀魂な感じが出ている作風でとても好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0ab52dedef (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» そりゃ丸パクリして使われてたらゾワッてしますよね…笑 (2020年5月20日 15時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年4月6日 23時