◇43 sho ページ43
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_____出会い#7_____
誰もいないこの場所は正真正銘
俺とAさん、2人だけの空間
俺はマスターのはからいに背中を押されるようにして
初めて彼女の隣の席に座った
間近にみるAさんはやっぱり綺麗で
薄く開かれたままの艶のある唇から
小さな寝息を溢しながら
時折、苦しそうに眉を寄せる
紫耀『………A…さん』
何がAさんをこんなふうにさせるんだろう
その瞑った瞳の奥で何を思ってるんだろう
俺の小さな呼びかけに
A『………りょ…うた』
綺麗な唇から途切れ途切れに溢れたのは
俺なんか知るはずもない男の名前で
ふいにあの片方だけのピアスと、泣いたいたAさんがリンクする
Aさんをこんな風にさせるのは
そいつのせいなの？
わかんないけど、なんかムカついて
なんか悔しくて
別の男の名前なんて聞きたくなくて
指を伸ばし、火照った頬に触れた
Aさんに…初めて触れた
紫耀『………ここにいんのは俺だよ』
"正しい始め方"なんてもうどうでもよかった
こんなAさんを前にしたら
今までの葛藤も、迷いも全部どこかへ消えてしまった
ただ、Aさんの寂しさを紛らわすためだけでもいい
俺を利用したっていい
弱みに漬け込む俺を最低だって罵ってもいい
ただ他の誰かを想ってこんな風になるAさんをこれ以上見たくなかった
ただの、俺のわがまま
紫耀『お姉さん、そんな酔っ払いだと、俺持ち帰っちゃうけどいいの？』
手慣れたように、その先なんて望まないように
大人の割り切った関係として演じられるように
少し、大人ぶってみせた
そうでもしなきゃ
今すぐにでも
Aさんを抱き締めてしまいそうだったから
A『……いいよ』
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始まりは、そんなほんの少しの最低な偽りから
でもその偽りは、すぐに演じきれなくなっていた
A『…………平野くんは
なんでわたしなんかにこんな優しくしてくれるの』
もうそんな言葉言わせなくなくて
俺がAさんに救われたように
Aさんの辛いことも悲しいことも全部
今度は俺が取っ払ってあげたい
Aさんを傷つける全部から
守ってあげたい
そう思う俺はもう、戻れないところまできてしまったのだと
頭で考えなくても、わかっていた
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
