◇40 sho ページ40
．
．
______出会い#4_____
Aさんはいつもコツン…コツン…という
心地よいヒールの足音と共に
決まって21:30に現れる
いつからかそんなことさえも、俺は知るようになっていて
ある意味俺、ストーカーじゃんって笑えてくる
マスター『いらっしゃい』
A『こんばんは』
カウンターの左から2つ目の席に座ると
マスターは彼女にいつもの赤いラベルのシャンパンを差し出し
それを、柔らかく微笑んで受け取ると
綺麗な指先でグラスを持って、喉に流し込みながら
マスターと楽しそうに会話をする
その光景を、もう俺は何度見てきたんだろう
会話の節々で聞こえてくる彼女の言葉はいつも
芯の強さと優しさで溢れていて
彼女の事を一方的に知るたびに、その特別な思いは大きくなっていた
時折ふっと、零す笑顔が綺麗で
きっと俺が飲んだら一口でぶっ倒れそうな
シュワシュワした泡のシャンパンをゆっくり口に運ぶ仕草が
あぁ、大人だなぁなんて思ってた
彼女はいつも、びしっと決めたスーツに
きちんと磨かれたハイヒールを履いていて
きっと、人生も恋愛もいろんな経験を積んだ
大人の女なんだろうな…ってそう思ってた
□『俺と一緒に場所変えて飲まない？』
○『このあと、時間ある？』
1人でバーにいる綺麗な彼女に、近寄る男はやっぱりたくさんいて
いかにも金持ちそうな男とか
チャラそうな男たちが
いつもAさんを誘っていた
A『他を当たってください』
でも、Aさんはそんな男たちに見向きもせず、いつも簡単にあしらうだけで
凛として、隙なんてなくて
きっと、俺みたいなガキ
年下だし相手にもされないんだろうなって
そう思ったら、やっぱり一歩を踏み出せずにいた
あの時の数分の会話
Aさんはもう完全に覚えてないだろう
俺の存在に気付いてる素振りもやっぱり一切なくて
時折、切なげに視線を落とすAさんをみつけた時
彼女の瞳の奥には
強く想う誰かが…いるようにみえた
俺なんて入り込む余地もない
他の男なんて、目に入らなくて当然のようにみえた
Aさんは、容姿が整ってるとかそんな上辺だけの綺麗さだけじゃなくて
存在そのものが、透き通って綺麗なそんな人で
いつだって交わることのない視線に
いつからか、その目に俺を映してほしい
そう思うようになっていた
．
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
