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うっとりするような夜景なんかじゃなくて
自然の中に強く輝く星空を見せるのが少し意外で
でも、今はそれが彼らしいな…と思う
まだ彼のこと大して知りもしないのに
なんの飾りも混じり気もない
純粋で真っ白な光が
彼によく似合うと思った
紫耀「…Aさん全然電話くれないからさ
寂しかった」
静かな夜の空に小さくそう零した彼
街灯のオレンジの明かりが
さっきまでマスクで見えなかった彼の表情をよく照らしていて
彼は小さく下唇を噛んで
寂しげに瞼を伏せた
やっぱり彼は、どこまでもずるいなぁと思う
無意識に紡がれる言葉と表情
そのどこまでを鵜呑みにしていいのか
わからなくなる
紫耀「さっきも一瞬思ったんだよね
Aさんは俺にもう会いたくないのかもしれないって」
小さく息を吸い込んだ彼は
星空を見上げた
綺麗な横顔が、星空によく映える
紫耀「…でも、そんなAさんの気持ちなんて無視して
気づいたら体が勝手に動いてた」
わたしを見て、眉を下げて
へへって…小さく笑った
A「…………会いたくなかったわけじゃないの
…ただ、…自信がなくて」
ほんとはもっと
言いたいことは他にあるのに
A「………こんな、情けないところ…見せてごめんね」
紫耀「情けなくなんかない。俺のこと、頼ってくれたんでしょ？
どんな理由でも俺は嬉しい」
彼はいつもストレートに言葉をくれる
それなのに
いつも上手く言葉にできなくて
わたしは誤魔化すように空を見上げた
彼がこうして隣にいてくれるから
わたしは1人じゃないと思えた
悲しみも寂しさも薄まっていくようで
でも彼はこの星空を
どんな気持ちで見ているのかな
そんなことばかり考えていた
紫耀「……Aさん」
少し低くなった声
こちらに向けられた目は
さっきまでとは違う色を帯びていた
紫耀「…ごめん俺、やっぱガキだから黙ってるとか出来なくて
答えたくなかったら、なにも話さなくていいから
聞こえなかった事にして忘れていいから」
突然、語られた言葉の意味は
よくわからなかった
ただ、彼の哀しく透き通る目が小さく揺れた
紫耀「Aさんをそんな顔にさせるのは
コレと関係ある？」
そういって彼がポケットから取り出したのは
あの…片方だけのピアスだった
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
